退去費用が払えないときは、まず請求書の中身を確かめて払う義務がある分に絞り、管理会社に分割か支払期限の延長を頼みます。放置すると保証会社や連帯保証人に請求が回り、60万円以下なら少額訴訟で原則1回の期日で判決まで進むことがあります(民事訴訟法368条・370条)。
この記事でわかること
- 払えないと分かったとき最初に確かめる請求書の3点(通常損耗・経過年数・敷金との差し引き)
- 分割・支払期限の延長の頼み方と、そのまま使える連絡文。合意したら書面に残すこと
- 払わないと起きる順番=督促→保証会社・連帯保証人→支払督促・少額訴訟→差押えを条文つきで
- 2020年4月1日以降の契約なら連帯保証人の責任は極度額まで(民法465条の2)
- 188・法テラス・社会福祉協議会の緊急小口資金(10万円以内・無利子)など、借りる前に使える公的な窓口
- 生活保護を受けている人・ほかにも借金がある人の考え方(生活保護法58条・破産法253条)
退去費用が払えないときの順番
退去費用の請求書が届いて手元のお金では足りないとき、最初にするのは借りる算段より請求の中身の確認です。通常の使い方で傷んだ分や、年数がたって価値が下がった分まで請求されていることがあります。
払う分が決まったら、支払期限の前に管理会社か大家さんへ連絡を入れてください。分割や期限の延長に応じる義務は相手にありませんが、払える額と時期を具体的に示すと話がまとまりやすくなります。
連絡をせずに期限を過ぎると、敷金が充てられたうえで、保証会社か連帯保証人に請求が回ります。その先は裁判所の手続き(支払督促・少額訴訟)と差押えです。どこで止められるかを知っておくと、慌てずに済みます。
この記事が扱う範囲
- 扱うのは退去費用の請求額を払えないときの動き方です。確認→交渉→放置した場合の流れ→相談先の順に書いています
- 請求が妥当かどうかの細かい判定は賃貸の退去費用の相場、敷金を取り戻す請求は敷金が返金されない時の請求方法、短期解約の違約金は賃貸の短期解約違約金は払うべき?が本体です
- 保証会社の手数料や遅延損害金の率は、保証委託契約ごとに違います。手元の契約書で確かめてください
退去費用が払えないとき最初にやること|請求書の中身を3点で確かめる
退去費用が払えないとき、最初にやるのは請求書の中身の確認です。払う義務のない分が入っていれば、それを外すだけで払える額に収まることがあります。
借主が直す義務を負うのは、入居後についた傷のうち、通常の使い方による傷みと年数による劣化を除いた部分です(民法621条)。国土交通省のガイドラインも、経年変化と通常損耗は賃料に含まれるという考え方をとり、経過年数が長いほど借主の負担割合を減らす扱いを示しています。
退去費用の請求書で確かめる3点(民法・国土交通省ガイドライン・2026年9月時点)
| 確かめる点 | 見る場所 | 借主の負担にならない例 |
|---|---|---|
| 通常損耗・経年変化が入っていないか | 精算書の項目名と理由 | 家具の設置跡、日焼けによる変色、年数による設備の傷み |
| 経過年数が反映されているか | 精算書の負担割合・計算式 | 長く住んだのに新品の全額で請求されている |
| 敷金が差し引かれているか | 精算書の最後の行 | 敷金を預けたのに、請求額が総額のまま |
出所: e-Gov法令検索「民法」第621条(通常の使用による損耗と経年変化を除く)・第622条の2(敷金の充当と返還)・国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(経年変化・通常損耗の修繕費は賃料に含まれる・経過年数による負担割合の減少)
敷金は、未払いの債務に充てるために預けたお金です。貸主は敷金を退去費用に充てることができ、差し引いた残りがあれば返す仕組みになっています(民法622条の2)。請求書が敷金を引く前の総額になっていないかは、真っ先に見るところです。
特約でクリーニング代などを借主負担にしている場合は、契約書の特約欄を読み直すところです。読み方は賃貸契約書の見方、敷金が戻る時期と精算書の見方は退去後の敷金はいつ返ってくる?にまとめています。
立会いでサインした精算書でも、内訳は聞ける
退去の立会いで精算書にサインしてしまった場合でも、項目ごとの根拠を管理会社に尋ねてかまいません。サインの扱いは退去立会いでサインを拒否すると敷金は返ってくる?で整理しています。
内訳を聞くときは、電話で終わらせずメールか書面で残してください。後で分割を頼むときや、公的な窓口に相談するときの材料になります。
退去費用が払えないと分かったときの順番
- 請求書の額を期限までに払えない
- 1請求の中身を確かめる通常損耗・経過年数・敷金の差し引き。払う義務のない分を外す
- 2期限の前に分割・延長を頼む払える月額と開始日を示す。合意したら書面に残す
- 3公的な窓口に相談する188・法テラス・社会福祉協議会。借りる前に使える
- 4裁判所から書類が来たら放置しない支払督促は2週間以内に異議。少額訴訟でも分割の判決がある
図:1と2を支払期限の前に済ませると、3と4に進まずに終わることが多い。
分割・支払期限の延長を頼む|伝え方と連絡文
払う分が決まったら、支払期限の前に管理会社か大家さんへ分割か延長を頼みます。法律で分割を認めさせる仕組みは無いので、あくまで相手との合意です。
話がまとまりやすいのは、払える額と時期を数字で示したときです。仲介の現場でも、黙って期限を過ぎた人より、期限前に「毎月いくらなら確実に払える」と連絡してきた人のほうが、すんなり分割に応じてもらえる場面を多く見てきました。
退去費用の払い方の頼み方(交渉の型・2026年9月時点)
| 頼み方 | 向く場面 | 伝えること |
|---|---|---|
| 支払期限の延長 | 給料日やボーナスで払える見込みがある | 払える日付を1日で示す |
| 一部を先に払い、残りを分割 | 半分ほどは今払える | 今払う額と、残りの回数・月額 |
| 全額を分割 | 今はほとんど払えない | 月額・回数・初回の日付と、払えない理由を短く |
退去費用の請求を受けた直後に、次の形で送ると話が進みやすくなります。
件名:退去費用のお支払い方法についてのご相談
◯月◯日付の精算書(請求額◯円)を確認しました。内容については承知しております。
誠に恐縮ですが、期限までに一括でのお支払いが難しい状況です。◯月◯日に◯円をお支払いし、残りの◯円を◯月から毎月◯日に◯円ずつ、◯回に分けてお支払いさせていただけないでしょうか。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
内訳に納得できない項目があるなら、分割の相談と混ぜずに、先にその項目の根拠を尋ねます。額が決まる前に分割の約束をすると、後から争いにくくなるためです。
分割に合意したら書面に残す
分割がまとまったら、回数・毎月の額・支払日・振込先を書面かメールで残してもらいます。多くの場合は「支払いが遅れたら残りを一括で払う」という条件が付き、これを期限の利益の喪失と呼びます。
裁判所が少額訴訟で分割払いを命じる場合も、支払いを怠ったときの期限の利益の喪失を定めなければならない決まりです(民事訴訟法375条2項)。1回でも遅れると残額を一度に請求されるので、無理のない月額で組むことが何より大事になります。
退去費用を払わないとどうなる?|督促から差押えまでの流れ
退去費用を払わずにいると、督促→保証会社か連帯保証人への請求→裁判所の手続き→差押えの順です。どの段階でも、話し合いに戻る余地は残っています。
退去費用を払わないときに進む段階(民法・民事訴訟法・民事執行法・2026年9月時点)
| 段階 | 起きること | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 督促 | 管理会社・大家さんから電話や書面で支払いを求められる | — |
| 2 敷金の充当 | 預けた敷金が退去費用に充てられる。借主から充当を求めることはできない | 民法622条の2 第2項 |
| 3 保証会社・連帯保証人 | 保証会社が立て替えて借主に求償する。連帯保証人には直接請求が行く | 民法459条・446条・454条 |
| 4 支払督促 | 書類だけで発付。2週間以内に督促異議を出さないと仮執行宣言が付く | 民事訴訟法382条・386条・391条 |
| 4 少額訴訟 | 60万円以下の請求。原則1回の期日で審理を終える | 民事訴訟法368条・370条 |
| 5 差押え | 判決や仮執行宣言付きの支払督促で、給料や預金が差し押さえられる | 民事執行法152条 |
出所: e-Gov「民法」・e-Gov「民事訴訟法」・e-Gov「民事執行法」・裁判所「少額訴訟」
退去費用を払わないと、請求はこう進む
- 支払期限を過ぎた
- 1督促と敷金の充当電話・書面の督促。敷金があれば先に充てられる
- 2保証会社・連帯保証人へ保証会社は立て替えて本人に求償。連帯保証人には直接請求
- 3支払督促か少額訴訟督促は2週間以内に異議。少額訴訟は60万円以下・原則1回の期日
- 4差押え給料は原則4分の1まで。預金も対象になる
図:どの段階でも分割の話し合いに戻れる。裁判所の書類だけは期限を守って返す。
支払督促が届いたら、2週間以内に動く
支払督促は、裁判所書記官が借主の言い分を聞かずに書類だけで出す手続きです(民事訴訟法386条1項)。受け取ってから2週間以内に督促異議を出さないと、相手の申立てで仮執行宣言が付き、差押えができる状態になります(391条)。
督促異議を出すと、通常の訴訟に移ります(395条)。訴訟の場で分割を前提にした和解を話し合う道もあるので、届いた書類は放っておかないでください。
少額訴訟では、分割払いの判決もある
60万円以下の請求は、簡易裁判所の少額訴訟で争われることがあります(民事訴訟法368条)。原則1回の期日で審理を終え、その日に判決が出ることもあります(370条)。
裁判所は、借主の資力などを考えて、判決の日から3年を超えない範囲で支払いの猶予や分割払いを定めることができます(375条・裁判所「少額訴訟」)。訴えられた側は、最初の期日で弁論するまでなら通常の訴訟に移すよう求めることもできます(373条)。
差押えは給料の原則4分の1まで
差押えになっても、給料の全額が取られるわけではありません。毎月の給料は4分の3が差押え禁止で、差し押さえられるのは原則4分の1までです(民事執行法152条)。ただし4分の3が33万円を超える場合は、33万円を超える部分も差押えの対象になります(民事執行法施行令2条)。
毎月の給料と差し押さえられる額の目安(民事執行法152条・同施行令2条・2026年9月時点)
| 毎月の給料(支払額) | 差押え禁止の部分 | 差し押さえられる部分 |
|---|---|---|
| 20万円 | 15万円(4分の3) | 5万円 |
| 40万円 | 30万円(4分の3) | 10万円 |
| 60万円 | 33万円(上限) | 27万円 |
※表は民事執行法152条1項と同施行令2条1項1号(毎月払い=33万円)をそのまま当てはめた目安です。
時効を待つのは現実的でない
退去費用の請求権は、貸主が請求できると知った時から5年で時効にかかります(民法166条1項1号)。ただ、判決や仮執行宣言付きの支払督促で確定すると、時効は10年になります(169条)。
その間も督促や遅延の損害は続くので、時効を当てにして放置するのは得策になりません。払えない事情は、早い段階で相手と窓口に伝えるほうが負担は小さく済みます。
連帯保証人・保証会社に請求が回るとき|2020年4月以降の契約は極度額まで
退去費用を払えないと、保証会社か連帯保証人に請求が回ります。保証会社は立て替えたうえで借主に請求し、連帯保証人は借主と同じ立場で請求を受けます。
保証会社と連帯保証人の違い(民法・法務省・2026年9月時点)
| 項目 | 保証会社 | 個人の連帯保証人 |
|---|---|---|
| 請求の順番 | 貸主に立て替えて払い、借主に求償する | 借主より先に請求されることもある(先に借主へ、とは言えない) |
| 責任の上限 | 保証委託契約の範囲 | 2020年4月1日以降の契約は極度額まで。極度額の定めが無ければ保証は無効 |
| 根拠 | 民法459条 | 民法446条・454条・465条の2 |
出所: e-Gov「民法」・法務省「2020年4月1日から保証に関する民法のルールが大きく変わります」(賃料等の保証を例にした極度額の定めのない個人の根保証契約の説明)
連帯保証人は、借主より先に請求されても「まず借主に請求してほしい」と断れません(民法454条)。親や親族が保証人なら、督促が本人に来た段階で事情を伝えておくと、突然の請求で関係がこじれずに済みます。
2020年4月1日以降に結んだ個人の保証契約では、保証人が負う額の上限(極度額)を書面で定めないと、保証そのものが無効になります(民法465条の2)。保証人の責任も極度額までです。保証人が何円まで負うかは、契約書の保証人欄に書かれた極度額で確かめられます。
保証会社の仕組みそのものは保証人なしで賃貸を借りる方法で整理しています。立て替え後にかかる手数料や遅延損害金は保証委託契約で決まるので、契約書の該当欄を見てください。
退去費用の請求が回る先:保証会社と連帯保証人
- 動き
- 貸主に立て替えて払う
- その後
- 借主に立て替え分を請求(求償)
- 上限
- 保証委託契約の範囲
- 根拠
- 民法459条
- 動き
- 貸主から直接請求される
- 断れるか
- 「先に借主へ」とは言えない
- 上限
- 2020年4月以降の契約は極度額まで
- 根拠
- 民法446条・454条・465条の2
図:保証人がいる契約なら、督促が来た段階で保証人に事情を伝えておく。
退去費用を工面する方法と相談先|借りる前に公的な窓口
お金を借りる前に、無料の公的な窓口を使えます。請求の妥当性は消費生活センター、法的な対応は法テラス、当座の資金は社会福祉協議会が入口です。
退去費用が払えないときの相談先(消費者庁・法テラス・厚生労働省・東京都・2026年9月時点)
| 窓口 | 相談できること | 連絡先・条件 |
|---|---|---|
| 消費者ホットライン | 請求が妥当か、管理会社との話し方 | 188。最寄りの消費生活センターにつながる。相談は無料で通話料はかかる |
| 法テラス | 法律相談、弁護士・司法書士の費用の立替 | 0570-078374(平日9〜21時・土曜9〜17時)。収入と資産が一定以下などの条件と審査がある |
| 市区町村の社会福祉協議会 | 緊急小口資金(生活福祉資金) | 緊急かつ一時的に生計の維持が難しいときの10万円以内の貸付・無利子。対象かどうかは社協の審査 |
| 東京都 賃貸ホットライン | 都内物件の賃貸トラブル | 03-5320-4958 |
出所: 政府広報オンライン「消費者トラブルで困ったら『188』へお電話を」・法テラス「無料法律相談・弁護士等費用の立替」・厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」(窓口は市区町村社会福祉協議会・緊急小口資金は無利子)・全国社会福祉協議会「生活福祉資金貸付制度について」(厚生労働省掲載資料)(10万円以内)・東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン〜概要〜」
カードローンなどで借りて払うと、退去費用に利息が上乗せされます。分割の交渉と公的な窓口を先に試し、それでも足りない分だけを考える順番にしてください。
生活保護を受けている人
生活保護を受けている人は、受け取った保護費や保護を受ける権利を差し押さえられません(生活保護法58条)。とはいえ請求そのものが消えるわけではないので、請求書を持って担当のケースワーカーに相談するのが先です。
支払い方を自分だけで決めず、請求額と支払期限が分かる書類をそろえて相談してください。
ほかにも借金があり、返す見通しが立たない人
退去費用のほかにも借金があり返す見通しが立たないなら、法テラスで債務整理の相談ができます。破産法253条1項は免責されない請求権を並べていますが、そこに原状回復費用という項目はありません。
ただし「悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」は免責されない請求権に入っています(253条1項2号)。わざと壊した部分の請求はこれに当たる余地があるので、弁護士に内訳を見せて判断してもらってください。また、本人が免責を受けても連帯保証人への請求は残ります(253条2項)。
よくある質問
Q1:退去費用は分割払いにできますか?
管理会社や大家さんが合意すれば分割にできます。法律で分割を認めさせる仕組みは無いので、支払期限の前に、払える月額・回数・初回の日付を示して頼みます。合意したら、回数・金額・支払日と、遅れたときに残りを一括で払う条件(期限の利益の喪失)を書面かメールで残してもらってください。
Q2:退去費用を払わないとどうなりますか?
督促のあと、預けた敷金が充てられ(民法622条の2)、保証会社の立て替えか連帯保証人への請求に進みます。さらに支払督促や少額訴訟になり、判決などが出ると給料や預金の差押えに進むことがあります。給料は原則4分の1までが差押えの対象です(民事執行法152条)。支払督促は受け取ってから2週間以内に異議を出さないと仮執行宣言が付くので、届いたら放置しないでください。
Q3:退去費用が払えないと、連帯保証人の親に請求がいきますか?
いきます。連帯保証人は借主と同じ立場で請求を受け、「先に借主へ」と断ることはできません(民法454条)。2020年4月1日以降に結んだ個人の保証契約なら、保証人の責任は契約書に書かれた極度額までで、極度額の定めが無い保証は無効です(民法465条の2)。督促が来た段階で保証人に事情を伝えておくと、話がこじれずに済みます。
Q4:生活保護を受けています。退去費用が払えないときはどうすればいいですか?
保護費や保護を受ける権利は差し押さえられません(生活保護法58条)。ただ請求が消えるわけではないので、精算書と支払期限が分かる書類を持って、担当のケースワーカーに相談してください。請求が妥当かどうかは、消費者ホットライン(188)でも相談できます。
Q5:自己破産したら退去費用はどうなりますか?
破産法253条1項が並べる免責されない請求権に、原状回復費用という項目はありません。ただし、わざと壊した部分など「悪意で加えた不法行為」に当たる請求は免責されない場合があります(253条1項2号)。本人が免責を受けても連帯保証人への請求は残ります(253条2項)。判断は事情によるので、法テラス(0570-078374)か弁護士に内訳を見せて相談してください。
Q6:退去費用の請求に時効はありますか?
貸主が請求できると知った時から5年です(民法166条1項1号)。ただし判決や仮執行宣言付きの支払督促で確定すると10年になります(169条)。その間も督促は続くので、時効を待つより、分割の相談や公的な窓口を使うほうが負担は小さく済みます。
参考にした一次資料
- e-Gov法令検索「民法」(166条 5年・10年の消滅時効/169条 判決で確定した権利は10年/446条・454条 保証人と連帯保証の特則/459条 委託を受けた保証人の求償権/465条の2 個人根保証の極度額/621条 原状回復義務(通常損耗・経年変化を除く)/622条の2 敷金の充当と返還)
- e-Gov法令検索「民事訴訟法」(368条 60万円以下の少額訴訟/370条 一期日審理/373条 通常手続への移行/375条 判決による支払猶予・分割払と期限の利益の喪失/382条・386条 支払督促は債務者を審尋しない/391条 2週間以内に督促異議が無いと仮執行宣言/395条 督促異議で訴訟へ移行)
- e-Gov法令検索「民事執行法」(152条 給料の4分の3は差押え禁止)/「民事執行法施行令」(2条 毎月払いは33万円)
- e-Gov法令検索「生活保護法」(58条 保護金品と受ける権利の差押え禁止)
- e-Gov法令検索「破産法」(253条1項 免責されない請求権・2項 免責は保証人に影響しない)
- 裁判所「少額訴訟」(60万円以下・原則1回の審理・判決から3年以内の支払猶予や分割払い・同じ裁判所で年10回まで・2週間以内の異議)
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(経年変化・通常損耗の修繕費は賃料に含まれる・経過年数で借主の負担割合を減らす)
- 法務省「2020年4月1日から保証に関する民法のルールが大きく変わります」(2020年4月1日施行・極度額の定めのない個人の根保証契約は無効)
- 厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」/全国社会福祉協議会「生活福祉資金貸付制度について」(窓口は市区町村社協・緊急小口資金は無利子・緊急かつ一時的に生計の維持が困難な場合の10万円以内の貸付)
- 法テラス「無料法律相談・弁護士等費用の立替」(サポートダイヤル 0570-078374・平日9〜21時・土曜9〜17時・収入や資産の条件と審査)
- 政府広報オンライン「消費者トラブルで困ったら『188』へお電話を」(最寄りの消費生活センターにつながる・相談無料・通話料は負担)
- 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン〜概要〜」(賃貸ホットライン 03-5320-4958)
まとめ
退去費用が払えないときは、借りる前に請求書の中身を確かめます。通常の使い方による傷みと年数による劣化は借主の負担ではなく(民法621条)、敷金が差し引かれているかも見るところです。
払う分が決まったら、支払期限の前に分割か延長を頼みます。払える月額と日付を示し、合意したら書面に残してください。放置すると、保証会社か連帯保証人への請求、支払督促や少額訴訟、差押えの順に進みます。
困ったときは188・法テラス・社会福祉協議会が使えます。裁判所から書類が届いたら、支払督促は2週間以内に異議を出し、少額訴訟でも分割の判決があることを覚えておいてください。
この記事のまとめ
- 最初にやるのは請求書の確認。通常損耗・経過年数・敷金の差し引きの3点を見る
- 分割・延長は相手の合意しだい。期限前に払える月額と日付を示し、合意は書面に残す
- 払わないと、督促→敷金の充当→保証会社・連帯保証人→支払督促・少額訴訟→差押えの順に進む
- 支払督促は2週間以内に異議。少額訴訟は60万円以下・原則1回の期日で、3年以内の分割判決もある
- 給料の差押えは原則4分の1まで。4分の3が33万円を超えると超えた分も対象
- 2020年4月1日以降の個人の連帯保証は極度額が上限。定めが無ければ保証は無効
- 188・法テラス(0570-078374)・社会福祉協議会の緊急小口資金(10万円以内・無利子)を借りる前に使う
- 賃貸の退去費用の相場|原状回復の請求実態と交渉の境界線
- 敷金が返金されない時の請求方法|原因の類型化と内容証明の文例
- 退去後の敷金はいつ返ってくる?返還の目安と遅いときの確認先
- 賃貸の短期解約違約金は払うべき?|無効になる上限と交渉の型
- 退去の掃除はどこまでやる?|掃除で減る費用・減らない費用の線引き
免責事項
※本記事は民法・民事訴訟法・民事執行法・同施行令・生活保護法・破産法の条文、裁判所・国土交通省・法務省・厚生労働省・法テラス・消費者庁関連の公開情報(2026年9月時点)と不動産仲介の現場で見てきた事例をもとに整理した一般的な情報です。請求の妥当性、分割の可否、保証会社の手数料や遅延損害金、公的な貸付の対象になるかは、個々の契約と事情により異なります。個別の契約判断・法律相談は宅地建物取引士・弁護士・消費生活センター等の有資格者・公的窓口にご相談ください。

