賃貸の初期費用は分割できる?方法ごとの手数料の差

賃貸の初期費用は分割できる?

賃貸の初期費用は分割できます。方法は、不動産会社が用意する分割サービスか、クレジットカードの分割です。手数料は公式で年率が出ている2社で実質年率10.5%と18%で、30万円を12回にすると約1万7千〜3万円が上乗せになる計算です(当方の試算)。

この記事でわかること

  • 初期費用を分けて払う方法と、それぞれ使える場面
  • スムーズ・ハウスコム・エイブル・アパマンショップの回数と手数料
  • 30万円を分割したときの手数料の試算(回数別)
  • クレジットカードで払う・あとから分割にするときの注意
  • 分割の審査で見られること(いわゆる「ブラック」の場合)
  • 分割の前に、初期費用そのものを減らす手

出典: 各社の公式ページ(2026年10月19日に確認)/割賦販売法(e-Gov法令検索)。条件は変わることがあるため、申し込む前に各社のページで確かめてください。

目次

賃貸の初期費用は分割できるか

初期費用は、分割サービスかカード払いを使えば分けて払えます。仲介会社が自社の分割サービスを用意している例もあります。

ただし、どの部屋でも使えるわけではありません。分割サービスは「その会社を通して契約する部屋」に限られ、カード払いは不動産会社が対応しているかで決まります。

初期費用を分けて払う方法(2026年10月時点)

方法使える場面手数料の目安
分割専用サービス(スムーズ)スムーズと提携する不動産会社で部屋を決めるとき実質年率18%
仲介会社の分割サービスその仲介会社の店舗で部屋を決めるときハウスコムは実質年率10.5%。他社は公式に記載なし
クレジットカードの分割払い不動産会社がカード払いを受け付けるときカード会社が決める(例:三井住友カードは12回で実質年率17.69%)
カードの「あとから分割」カードで一括払いしたあとカード会社が決める

どれも、借りたお金に手数料が付く「分割」です。家賃の数か月分を分けるので、回数を増やすほど上乗せは大きくなります。

分割サービスの仕組み

分割サービスは、会社が初期費用を立て替えて不動産会社に払い、借主はその会社に分けて返す仕組みです。スムーズの公式ページは、これを「個別信用購入あっせん」による立替払いと説明しています。

スムーズの利用の流れ

スムーズは、公式FAQで利用の流れを次のように示しています。

  1. スムーズの利用審査を受ける
  2. 提携の不動産会社で部屋を探し、内見する
  3. 入居を申し込み、入居審査を受ける
  4. 入居日と初期費用が決まったら、分割の内容を決める
  5. スムーズが初期費用を立て替えて払い、部屋の契約をする
  6. 入居後に、スムーズへ分割で返していく

支払いは口座からの引き落としで、クレジットカードでは払えません。引き落としの手数料はスムーズが負担し、初回の支払日は入居日と給与の支払日をもとに決まるとしています。

分割できる費用・できない費用

スムーズで分割できるのは、敷金・礼金・仲介手数料・保証料など、部屋を借りるときに不動産会社へ払う費用です。次のものは対象外です。

  • 自分で直接払う費用(例:コンビニ払いの火災保険料)
  • 引越し業者の代金
  • 家具・家電の購入代金

エイブルのあと払いPAYも、加入が必要な損害保険料などは自己資金で用意すると案内しています。分割できない分の現金は、別に残しておいてください。

申し込む前に知っておきたい条件

スムーズの公式FAQには、見落としやすい条件がいくつか書かれています。

  • 仲介手数料は家賃1か月分(+税)になる。初期費用の割引もない
  • 提携していない不動産会社で入居審査を通った部屋には使えない。申込みのやり直しが要る
  • スムーズの契約者と、部屋の契約者は同じ人でなければならない

仲介手数料を家賃の半月分にしている会社と比べると、分割の手数料に加えてこの差も効いてきます。総額で比べてから決めてください。

初期費用を分けて払う方法の選び方

  • 初期費用を一度に払うのが難しい
  • 1まず初期費用そのものを減らせないか聞く礼金・仲介手数料・日割りの前家賃などは交渉や入居日で変わる
  • 2部屋を決める店に分割サービスがあるか聞くハウスコム・エイブル直営店・アパマンショップの対象物件など
  • 3カード払いを受け付けるか聞く受け付けるならカードの分割か、あとから分割
  • 4回数を決める前に手数料の総額を出す12回と48回では、手数料が約4倍になる

分割は「手数料を払って時間を買う」方法。先に減らせる費用を減らしてから使う

図:減らす→店の分割サービス→カード払い→総額の確認の順に検討する。

何回まで分けられ、手数料はいくらか

回数は、サービスによって最大36回〜60回と幅があります。手数料の年率を公式ページに書いているのは、調べた範囲ではスムーズとハウスコムの2社でした。

分割サービスの条件(各社公式・2026年10月19日確認)

サービス使える店・部屋回数実質年率上限・条件
スムーズ提携の不動産会社3・6・12・24・36・48回18%上限は審査で決まる。18歳以上で就業している人(アルバイト可)
ハウスコム PLプランハウスコムで部屋を探すとき(一部のFC店を除く)3〜60回(月3,000円以上)10.5%勤め先のある人100万円まで、学生・18〜19歳・専業主婦(夫)30万円まで
エイブル あと払いPAYエイブル直営店(埼玉県内と秋津店を除く)最大60回公式ページに記載なし20歳以上で安定収入100万円まで、18〜19歳・学生・専業主婦(夫)30万円まで
アパマンショップ BunChinPAY対象の物件6〜36回公式ページに記載なし申込時18歳以上・完済時80歳以下で安定収入のある人。取扱いは2万円以上

エイブルの支払いはポケットカードの「QR分割払い」か、エポスカードの「すみかえ応援クレジット」のどちらかです。アパマンショップはアプラスのショッピングクレジットへの申込みになります。年率は申し込みの画面で確かめてください。

30万円を分割したときの手数料(試算)

同じ30万円でも、回数で手数料は大きく変わります。毎月同じ額を払う方式(元利均等)で、年率をそのまま当てはめて計算しました。

30万円を分割したときの月々の額と手数料(当方の試算・円)

回数年率18%の月々年率18%の手数料年率10.5%の月々年率10.5%の手数料
3回103,0159,045101,7555,265
6回52,65815,94551,5429,254
12回27,50430,04826,44517,335
24回14,97759,45413,91333,907
48回8,812123,0007,68168,689

各社の実際の計算や端数の扱いとは少しずれることがあります。正確な額は、契約前に示される支払い計画で確かめてください。

12回と48回を比べると、月々は3分の1ほどに下がる一方、手数料は約4倍に増えます。家賃と並んで毎月払い続けることになるので、月々の額だけで回数を決めないほうが安全です。

30万円を年率18%で分けたとき(試算)

12回払い
月々
約2万7,500円
手数料
約3万円
払い終わり
1年後
48回払い
月々
約8,800円
手数料
約12万3,000円
払い終わり
4年後

図:回数を4倍にすると、月々は約3分の1、手数料は約4倍になる(元利均等で計算した目安)。

クレジットカードで払う・あとから分割にする

不動産会社がカード払いを受け付けるなら、カードの分割払いで分けられます。受け付けるかどうかは店や物件で違うので、申し込みの前に聞いておきましょう。

三井住友カードの公式ページでは、分割払いの実質年率は3回14.70%、12回17.69%、24回17.88%です。2回払いは手数料がかかりません。年率はカード会社ごとに違うので、手元のカードの案内も見てください。

一括で払ったあとに分割へ変える

カードで一括払いにしたあと、カード会社の「あとから分割」で分割に切り替える方法もあります。三井住友カードでは、4〜60回から選べると案内しています。

カード払いで気をつけること

  • 初期費用でカードの利用枠を使い切ると、引越し代や家具の支払いに困る
  • 決済手数料を別に上乗せする店があるので、総額を見積もりで確かめる
  • 分割サービスと違い、カードは不動産会社の対応しだいで、使えない部屋も多い

スムーズの公式FAQも、初期費用は分割サービス、引越しや家具家電はカードと使い分ける人が多いそうです。枠を空けておく考え方としては筋が通っています。

分割の審査で見られること

分割サービスやカードの分割には、支払えるかどうかの審査があります。部屋の入居審査とは別の審査で、どちらも通らないと分割は使えません。

スムーズのような個別信用購入あっせん業者には、割賦販売法35条の3の3で、契約の前に調べる義務があります。調べるのは、年収、預貯金、クレジットの支払いの状況、借入れの状況などです。

  • 調べるときは、指定信用情報機関の情報を使わなければならない(同条3項)
  • 1年間に払う額が「支払可能見込額」を超えるときは、契約してはならない(35条の3の4)

信用情報に延滞の記録がある場合

いわゆる「ブラック」と呼ばれるのは、信用情報にクレジットやローンの延滞などが記録されている状態です。分割の審査は信用情報を見る決まりなので、記録があれば通りにくくなります。

スムーズは、指定信用情報機関の株式会社シー・アイ・シー(CIC)の加盟会員です(公式ページの表記)。自分の記録は、CICの本人開示で確かめられます。インターネットなら手数料500円、郵送なら1,500円です。

申し込める人の条件(各社公式)

サービス年齢収入・職業
スムーズ満18歳以上就業していること(アルバイト可)
ハウスコム PLプラン18歳以上(高校生を除く)収入のない学生・専業主婦(夫)は30万円まで
エイブル あと払いPAY18歳以上(高校生を除く)無職・生活保護・外国籍の留学生は申込み不可
アパマンショップ BunChinPAY申込時18歳以上・完済時80歳以下安定収入のある人(年金受給者も可)

スムーズは、審査の途中で本人確認書類や、給与明細・源泉徴収票などの収入証明を求めることがあるとしています。勤め先への在籍確認はしない、とも書いています。

分割の前に確かめたいこと

分割は、手数料を払って支払いを先に延ばす方法です。先に初期費用そのものを減らせば、分割する額も手数料も小さくなります。

  • 礼金・仲介手数料など、交渉で変わりうる項目はないか
  • 前家賃の日割りは、入居日をずらすと減らないか
  • 鍵交換やオプションの消臭・害虫駆除など、外せる項目はないか
  • 分割できない費用(自分で払う火災保険料・引越し代)の現金は残るか
  • 入居後の家賃と分割の返済を足して、毎月払えるか

どの項目なら値下げを頼めるかは賃貸の初期費用を30万に抑える方法に、いつ・誰に頼むかと言い方の例は賃貸の初期費用交渉はいつ・誰にする?にまとめました。

現場では、申込みから初期費用の入金期日まで日数が短いことが多く、分割の審査もこの間に済ませる必要があります。分割を使うつもりなら、内見の段階で店に伝えておくと慌てずに済みます。

よくある質問

Q1:不動産会社に、現金を何回かに分けて払いたいと頼めますか?

頼むことはできますが、受けるかは不動産会社と大家さんしだいです。現場では契約の前にまとめて払う形が多いので、まずは店に分割サービスやカード払いがあるかを聞くほうが早く話が進みます。

Q2:スムーズの3回払いは手数料が無料ですか?

2026年10月19日に確認した公式FAQでは、全プランに実質年率18%の分割手数料がかかります。以前は無料の回数があったと紹介する記事もありますが、条件は変わることがあります。申し込む前に公式のページで確かめてください。

Q3:過去に延滞したことがあっても分割できますか?

信用情報に延滞の記録が残っていると、審査は通りにくくなります。分割の会社は、割賦販売法で信用情報を見て支払える額を確かめる決まりがあります。気になるなら、先にCICの本人開示で自分の記録を見ておくと見通しが立ちます。

Q4:火災保険や引越し代もまとめて分割できますか?

スムーズでは、自分で直接払う火災保険料(コンビニ払いなど)、引越し業者の代金、家具・家電の代金は対象外です。不動産会社へ払う敷金・礼金・仲介手数料・保証料などが対象になります。対象外の費用は、現金かカードで別に用意してください。

Q5:学生やアルバイトでも使えますか?

スムーズは、満18歳以上で就業していればアルバイトでも申し込めます。ハウスコムとエイブルは学生も申し込めますが、利用できる額は30万円までです。どれも審査があるので、使えるかは申し込んでみるまで決まりません。

まとめ

  • 初期費用は、分割サービスかカード払いで分けて払える。使えるかは店と部屋で決まる
  • スムーズは3〜48回・実質年率18%、ハウスコムは3〜60回・実質年率10.5%(2026年10月の公式)
  • 30万円を12回にすると手数料は約1万7千〜3万円。48回にすると約6万9千〜12万3千円
  • スムーズを使うと仲介手数料は家賃1か月分(+税)。提携の不動産会社を通す必要がある
  • 分割には信用情報を使う審査がある。延滞の記録は CIC の開示で確かめられる
  • 分割の前に、礼金・仲介手数料・日割り家賃など減らせる費用を先に減らす

分割を考え始めたら、まず見積もりの内訳をもらい、減らせる項目を減らしてから残りを分けてください。回数は月々の額だけで決めず、手数料の総額と、返し終わる時期まで見てから選ぶと後悔しにくくなります。

免責事項

※本記事は各社の公式ページ(スムーズ・ハウスコム・エイブル・アパマンショップ・三井住友カード・CIC)と割賦販売法の条文(2026年10月時点で確認)、不動産仲介の現場で見てきた事例をもとに整理した一般的な情報です。手数料・回数・審査の条件は変わることがあり、個々の審査結果によっても異なります。手数料の額は当方の試算で、実際の請求額とは一致しない場合があります。個別の契約判断は各社の窓口や消費生活センター等の公的窓口にご相談ください。

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この記事を書いた人

Ishidaです。地方都市の不動産仲介会社で営業アシスタントを10年務め、店長や主任の物件案内と契約立会いに同席しながら、年間1,500件を超える部屋を見送ってきました。

いちばん記憶に残っているのは、退去のときに高額な原状回復費を請求されて揉めるケースです。その多くは、契約の際に重要事項説明を聞き流していた方でした。逆に、最初にひと言確認しておくだけで防げたトラブルも数えきれません。

自分自身も7回引っ越し、そのたびに見積もりや初期費用の相場を体で覚えました。現場で見てきたことと、借り手として直面した実感の両方から、後悔しない部屋探しと引越しを整理しています。契約前の疑問は、遠慮なく不動産会社に確かめてくださいね。

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