入居中に家主さん以外の対人関係で発生しやすいトラブル
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| 事故・いたずら | 騒音問題 | ||
| 事故・いたずら (1)上階からの水漏れで、壁のクロスを張り替えることになったが、家電製品にも水がかかり調子が悪くなった。上階の入居者の不始末であることははっきりしているので、上階の人に損害賠償請求したいのだが、可能か? (2)上階からの水漏れで、壁のクロスを張り替えることになったが、家電製品にも水がかかり調子が悪くなった。しかし、原因がはっきりせず、上階の人の責任であるかどうかもはっきりしない。このような場合、誰に対して損害賠償請求することができるのか?それとも誰にも請求できないのか? (3)上階からの水漏れで、壁のクロスを張り替えることになったが、家電製品にも水がかかり調子が悪くなった。水漏れは上階の浴室からのようだが、上階の入居者の言い分では「入居したてであり、ふつうに入浴していただけだ」とのこと。このような場合、誰に対して損害賠償請求することができるのか?それとも誰にも請求できないのか? (4)上階の火災により、消火の水で水浸しになってしまった。上階の人の責任なので、使えなくなった期間の宿泊代や使えなくなった家財道具類の損害賠償を求めたいのだが、可能か? (5)何者かによって玄関のドアに傷をつけられてしまったが、管理会社より,ドアの交換代を請求されてしまった.このような場合,借主が費用を負担しなければいけないのか? 騒音問題 (1)隣の部屋から、会話する声がよく聞こえてくる。気になって仕方ないのだが、解決する方法はないか? (2)隣の部屋から、会話する声がよく聞こえてくる。気になって仕方ないので、管理会社に苦情を申し入れたが、「多少の騒音はお互い様」と言ってまともに取り合ってくれない。何とか、解決する方法はないか? (3)隣の部屋から、会話する声がよく聞こえてくる。気になって仕方ないので、管理会社に苦情を申し入れたところ、隣人に警告したらしいが、かえって騒音が増加している。根本的に、解決する方法はないか? (4)隣の部屋から、会話する声がよく聞こえてくる。気になって仕方ないので、直接隣人に苦情を言ったが、「お互い様だから仕方ないだろう」と言われてしまった。何か、解決する方法はないか? (5)隣の部屋から、夜中にマージャンしているような音が聞こえてくる。マージャンは禁止されているので管理会社に苦情を言ったが、「調査する」と言ったきり、いつまでたっても解決されない。何とか解決する方法はないか? (6)隣の部屋から、深夜に洗濯するような音が聞こえてくる。うるさくて眠れないので、管理会社に苦情を申し入れたが、「生活騒音はお互い我慢が必要」と言われた。我慢するしかないのか? (7)上階から、子供が走り回る音が聞こえてくる。ファミリーマンションなのである程度の騒音は仕方ないと思うが、我慢の限度を超えてしょっちゅう走り回っている。騒音が直らないようなら、上階の人に退去してもらいたいのだが、可能か? (8)上階から、子供が走り回る音が聞こえてくるので、上階の人に直接苦情を申し入れたところ、「申し訳ありません。静かにさせます」と謝るが、実際にはいっこうに騒音が収まる気配がない。何かよい対策はないか? (9)上階から、子供が走り回る音が聞こえてくるので、上階の人に直接苦情を申し入れたところ、「子供が走るのはある程度仕方のないこと。それに騒音が聞こえるのはフローリングなのでどうしようもない」と突っぱねられた。何かよい対策はないか? 事故・いたずら (1)上階からの水漏れで、壁のクロスを張り替えることになったが、家電製品にも水がかかり調子が悪くなった。上階の入居者の不始末であることははっきりしているので、上階の人に損害賠償請求したいのだが、可能か? → まず、水漏れが、上階のどの部分で発生していたのか?そして、上階の入居者に過失があるかどうかがポイントとなります。 相談内容によれば、上階のどの部分で水漏れが発生していたのかが定かではありませんが、本来、水漏れがあってはならない浴室やキッチン、洗濯機パンのところで水漏れしていたような場合には、民法第715条の工作物責任に基づいた損害賠償請求が可能になるでしょう。 工作物責任は、まずは入居者が責任を負うことになります。しかし、入居者が通常の使用ルールに従って使っていたような場合には家主が責任を負うこととなります。 また、欠陥工事の可能性もあるので、そのような場合には、家主自身、工事業者に責任を取ってもらうことになるでしょう。 上階の水漏れが、通常では、水漏れが考えられないような場所で発生していた場合には、上階の入居者の不始末である可能性が非常に高く、事実、「上階の入居者の不始末であることははっきりしている」とのことですので、上階の入居者に損害賠償請求が可能となります。(逆に言えば、上階の入居者以外には責任追及できません) (2)上階からの水漏れで、壁のクロスを張り替えることになったが、家電製品にも水がかかり調子が悪くなった。しかし、原因がはっきりせず、上階の人の責任であるかどうかもはっきりしない。このような場合、誰に対して損害賠償請求することができるのか?それとも誰にも請求できないのか? → 上階の水漏れが、どの場所で発生しているのかがはっきりせず、原因もはっきりしないという場合、「上階の人の責任である」と断定することはできないでしょう。 従って、上階の人に対して、損害賠償請求をすることはできないでしょう。 このような場合には、次の二つの考え方から、家主に損害を賠償してもらわざるを得ないでしょう。 ひとつは、家主の使用収益させる義務から導かれる考え方として、家主に修繕義務があるとするものです。 家主は、民法上、家賃という対価を得ている以上、入居者が安全快適に生活できるようにする義務がありますので、壁のクロスを張り替えないと安全快適な生活が送れませんし、家電製品の修繕も行う必要があるといえます。 もうひとつの考え方は、分譲マンションの場合に導入されている考え方で、各専有部分に水漏れの原因がない場合、「水漏れの原因は共用部分にある」という推定を行うことで、管理組合の費用と責任で損害賠償を行うというものですが、この考え方から類推すれば、賃貸マンションにおいても、各入居者に水漏れの原因がない場合、「水漏れの原因は共用部分にある」という推定により、分譲マンションの管理組合に当たる家主の費用と責任で損害賠償を行うというものです。 いずれの考え方にしても、家主に修繕してもらうしかありませんので、これらの考え方を説明の上、家主に修繕してもらえるように交渉しなければならないでしょう。 (3)上階からの水漏れで、壁のクロスを張り替えることになったが、家電製品にも水がかかり調子が悪くなった。水漏れは上階の浴室からのようだが、上階の入居者の言い分では「入居したてであり、ふつうに入浴していただけだ」とのこと。このような場合、誰に対して損害賠償請求することができるのか?それとも誰にも請求できないのか? → 水漏れが上階の浴室から発生しているような場合、本来、浴室は防水構造となっているはずですので、原因はいくつかのケースが考えられますが、ケース別に対策を検討しなければなりません。 まず、防水構造そのものに欠陥がある場合ですが、防水施工が不十分であるなど手抜き工事のために水漏れが発生したような場合には、当然のことながら、工事業者の責任です。 しかし、入居者からみれば直接的なつながりがなく、入居者は、家主に責任を負ってもらわなければなりません。 家主は、入居者から受けた損害賠償請求を工事業者に肩代わりさせればよいということになります。 次に、上階の入居者の善良なる管理者の注意義務違反のケースです。 具体的には、浴室の排水溝の清掃を怠っていたために、そこに髪の毛や石鹸カスがたまっていたのを放置していた場合に、排水溝から水があふれてしまい、水漏れになったというようなケースです。 しかし、この相談内容では、上階の入居者は「入居したて」ということでしたので、原因の大半は前の入居者にあるといえますが、すでに退去してしまっていますので、家主に責任をとってもらうことになります。 三つ目は、上階の入居者にも責任がない場合ですが、そのような場合には、家主が、民法上の使用収益させる義務から派生する義務として、家主に修繕義務があるといえるでしょう。 いずれにしても、泣き寝入りする必要はありません。 (4)上階の火災により、消火の水で水浸しになってしまった。上階の人の責任なので、使えなくなった期間の宿泊代や使えなくなった家財道具類の損害賠償を求めたいのだが、可能か? → 失火については、民法の特別法に「失火の責任に関する法律」という ものがあります。 この法律によれば、失火を出した人が「軽過失」である場合(故意や重大な過失でない場合)には、民法上の「不法行為責任」が適用されないという決まりがあるため、損害賠償責任を逃れることになっています。 従って、上階の入居者が軽過失であった場合には、法律上、責任追及することができないとされているのです。 一見理不尽な規定のようにも思えますが、逆の立場に立ってしまったときのことを考えれば、理解できるでしょう。 失火により自分の財産を失ったばかりか、他人への賠償請求もすべて行う義務があるとすれば、一生立ち直れない可能性があるため、「軽い過失である場合には、他人への損害賠償責任については免除しよう」という考え方があるのです。 しかし、上階の入居者の故意・重過失によって、失火となった場合には、損害賠償責任を逃れませんので、まずは、上階の入居者の過失の程度が問題となります。 この点は、消防署や保険会社の判断を参考にすることができるでしょう。 なお、上階の入居者は、失火責任法による損害を賠償しなくてもよい場合でも、家主との間には、賃貸借契約による原状回復義務がありますので、民法第415条の「債務不履行」(借りていた物件を原状回復して返還する義務が履行できない)によって損害賠償の責任が発生しますので、「軽過失の失火は責任を負わなくてよい」ということにはならないのです。 責任の範囲が限定されるに過ぎないので、誤解しないようにしなければなりません。 (5)何者かによって玄関のドアに傷をつけられてしまったが、管理会社より,ドアの交換代を請求されてしまった.このような場合,借主が費用を負担しなければいけないのか? → 借主は、家主から物件を借りている以上、善良なる管理者の注意義務がありますが、玄関ドアの外部を傷つけられるというのは、注意のしようがありません。 したがって、借主に責任はありません。 責任がない以上、費用負担の義務はないというのが常識です。 また、家主から物件を借りているといっても、それは、玄関ドアの内側部分に限定されているのが通常であり、玄関ドアの外側は、廊下と一緒で共用部分ですので、その管理責任は借主にありません。 したがって、この点から言っても、借主に負担させるのはおかしなことです。 騒音問題 (1)隣の部屋から、会話する声がよく聞こえてくる。気になって仕方ないのだが、解決する方法はないか? → 入居直後に発覚した「騒音問題」と入居後しばらく経過後にわかった「騒音問題」を比較すると、入居直後の場合には、場合によっては契約を解除することもしやすいのに対して、しばらく経過してからは、契約の解除は借主の都合とされてしまう可能性が大きく、結果的に解決がより難しい問題だといえます。 隣室などからの生活騒音についても、入居直後よりも、生活に慣れだした頃に気になるケースが多いようです。 それは、お互いに、入居直後は騒音を出さないように意識していた場合でも、だんだんと慣れてくるに従い、自ら出す音にも無頓着になってくる傾向があるからです。 たとえば、ステレオの音なども、最初は小さくしていても、だんだんと大きな音を出したくなり、ひどい場合には、「どれくらいの大きな音を出せば苦情を言ってくるだろう」というように「実験」する人もいるのです。 相談にある「会話する声」や電話の声も、そのような類のものだと思います。 問題なのは、「会話する声」などの生活騒音については、賃貸共同住宅では、非常に解決が難しいということです。 解決が難しい理由は、まず、賃貸共同住宅の構造にあります。 賃貸物件は、分譲物件に比較すると、設計上(コスト上)、壁の厚さなどの構造のレベルが低い場合が多く、分譲物件に比較すると、どうしても音が聞こえやすいという問題があります。 次の問題は、共同住宅には、ある程度の範囲内の生活騒音については、「受忍限度」があるということです。 つまり、お互いに、ある程度の騒音が我慢しましょうということです。 従って、騒音問題にクレームをつけるには、「受忍限度」を上回っているということを証明しなければならないということになるのです。 三つ目の問題は、「受忍限度」そのものが、かなり高いレベルに設定されていることです。 入居直後の「騒音」問題の項でも触れているように、もともと、建築基準法で定められている壁の「基準」自体が、騒音が聞こえても当然のレベルでも「オーケー」とされているのです。 たとえば、隣室で大きな声(80デシベル)で話した場合でも、55デシベル程度(ふつうの会話)に聞こえたとしても、法律上は問題なしとされているのです。 そして、四つ目は、仮に、受忍限度を超えていることが確実だと思える場合でも、それを立証するには、「被害者の証言」では意味をなさず、専門家(専門機関)による客観的な測定が必要であるため、手間と大きな費用がかかってしまうということです。 結局、以上のことから、隣室からの生活騒音については、なかなか簡単には解決しないのです。 そこで、具体的な対策としては、以下の方法をいくつか実行することになります。 まず、できるだけ隣人と仲良くなるように努力することです。 ある実験データからも、同じレベルの騒音であっても、見知らぬ人からの騒音に比較すると、知り合いが出す騒音ははるかに我慢しやすい(気にならない)ということが証明されています。 それに、知り合いになれば、「お互いに騒音には気をつけましょう」というようなことも言いやすくなるでしょう。 それが不可能であるなら、家主や管理会社に対して、騒音の苦情を述べることですが、被害者からの申告であるということをわからないように、まずは、一般的な警告文を共用玄関などに張ってもらうという方法をとります。 それでも、まったく効果がない場合には、家主や管理会社から、加害者に直接苦情を言ってもらうことですが、そのためには、家主や管理会社の人に、騒音をきちんと確認してもらう必要があります。 そうでないと、家主や管理会社も、自信を持って苦情を伝えられず、ひどい場合には、「隣人から苦情があるので言いに来た」という逃げを打つこともあり、かえって騒音被害をこじらせるケースもあるからです。 家主や管理会社から苦情を言っても、まったく効果がない場合には、家主から、加害者の連帯保証人に対して、「騒音の加害者に対して生活習慣を改めるように」という注意分を送ってもらうことです。(ただし、この方法は効果がある場合と逆効果となる場合もありますので、加害者の性格などを見極めたうえで判断しなければなりません) 次は、直接、加害者に対して、「騒音が大きいので、お互いに注意しましょう」と呼びかけてみることです。 この場合、たとえば、被害者が女性で、加害者が男性の場合、被害者の友人(男性)などといっしょに話に行った方が安全です。 同行する男性は、加害者のタイプによって、法律の専門家風、体育会系などを選択したほうがより効果的(?)かもしれません。 その次は、同じ物件に住む住民に呼びかけて、連名で「騒音被害を何とかせよ。どうしても解決してくれない場合には、法的手段をとることもありうる」というような文書を家主に突きつけ、家主に解決を迫ることです。 家主としても、一人の被害者からの苦情申し出だと半分聞き流す可能性があっても、大勢の入居者が連名で苦情を申し出てきたような場合には、真剣に対策を講じようとする可能性が大きいと思います。 それでも、依然として、騒音被害がやまないのであれば、最終的な判断を行うことになるでしょう。 つまり、自主的に退去するか、我慢して住みつづけるのかということです。 退去を覚悟するような場合には、家主に対して、次のような最後通告を突きつけるという方法もあります(あまりお勧めできるものではありませんが‥) 「家主には、入居者が安全快適に生活を送れるようにする義務があるので、騒音被害を何とかしてほしい。どうしても解決できないというのなら退去せざるを得ないが、それに関わる損害賠償を請求させてもらいます」 我慢して住み続ける場合も、加害者の騒音に業を煮やし、被害者自らが他の入居者に呼びかけてわざと騒音を出し、家主としても動かざるを得ないように仕向け、とうとう加害者を退去させたという猛者もいます。(これもお勧めの方法というわけではありませんが‥) (2)隣の部屋から、会話する声がよく聞こえてくる。気になって仕方ないので、管理会社に苦情を申し入れたが、「多少の騒音はお互い様」と言ってまともに取り合ってくれない。何とか、解決する方法はないか? → 管理会社は、家主の代理人としての業務を果たす必要があります。 家主には、入居者が安全快適に生活できるようにする義務がありますので、騒音がひどければ、解決に努力する義務があるといえます。 そこで、問題となるのは、騒音レベルが、「多少の騒音」といえるレベルかどうかの見極めです。 しかし、実際に、騒音レベルを測定するのは難しく、コストも多額に必要となるので、騒音レベルの測定を行うのではなく、家主あるいは管理会社の人に、騒音の実際状況を確認してもらうように要請するのです。 そして、家主あるいは管理会社の人の口から、「たしかにこれでは騒音が激しいことがわかった(ので何とか対処する)」と言わせるようにするのです。 それ以外の対策としては、前項を参考にしてください。 (3)隣の部屋から、会話する声がよく聞こえてくる。気になって仕方ないので、管理会社に苦情を申し入れたところ、隣人に警告したらしいが、かえって騒音が増加している。根本的に、解決する方法はないか? → 前々項の対策で述べたように、家主や管理会社の人から隣人へ警告する場合、家主や管理会社の人が直接騒音を確認していない場合、加害者との話し合いの中で、加害者が「騒音は出していない。誰が苦情を言っているのか?」と問い詰めた場合、「隣人からだ」と言ってしまう可能性があります。 そうなると、加害者に対する警告の迫力もまったくなくなるばかりでなく、隣人である被害者に対する憎悪が増すだけに終わってしまう場合もあるのです。 それでは逆効果になってしまうのは火を見るよりも明らかでしょう。 従って、家主や管理会社の人が、加害者に警告を発する場合には、かならず、家主や管理会社の人が実際の被害状況を確認しておき、自らの意見としても「これはひどい」という状況の確認を行い、そして、被害が出ている時に、加害者に警告するのが最も効果的なのです。 しかし、騒音問題は、深夜に発生することが多く、家主や管理会社に「来てくれ」と言っても来てくれないケースも多いので、次善の策としては、騒音が出ている状況を録音しておき、家主や管理会社の人に実際に聞いてもらうようにするという方法をとらざるを得ないかもしれません。 いずれにしても、騒音状況をまったく確認せずに、加害者に警告するというようなことだけは避けなければなりません。 ただ、今回の相談では、すでに隣人に警告を発したところが、かえって騒音が増えてしまったということですので、その後の対策を考えなければなりません。 その後の対策としては、他の入居者との連名での家主への要請文の送付、家主からの加害者の連帯保証人に対する要請、そして最終的な決断ということになりますが、詳しくは前々項をご覧ください。 (4)隣の部屋から、会話する声がよく聞こえてくる。気になって仕方ないので、直接隣人に苦情を言ったが、「お互い様だから仕方ないだろう」と言われてしまった。何か、解決する方法はないか? → 確かに、賃貸共同住宅では、騒音については、ある程度までは「お互い様」です。 しかし、本当に「お互い様」と考えている人は、「だから仕方ない」とは考えないでしょう。 ふつうは、「騒音はある程度お互いさまですが、これからは気をつけます」と言うでしょう。それを「仕方ない」という風に理解しているということは、騒音が出ることは「仕方ない」と考えているだけで、何ら対策を講じようとはしていないということです。 従って、まったく加害者意識もなく、対策を講じようとしない人ですので、家主や管理会社の人に、騒音状況をきちんと確認してもらった上で、家主や管理会社サイドから、「自分でも確認したが、騒音がひどいので、すぐに騒音をやめるよう」に強く言ってもらうようにしなければなりません。 それでも、まったく効果がないようであれば、この騒音の相談コーナーの初めにある項目に記載している対策をご検討ください。 (5)隣の部屋から、夜中にマージャンしているような音が聞こえてくる。マージャンは禁止されているので管理会社に苦情を言ったが、「調査する」と言ったきり、いつまでたっても解決されない。何とか解決する方法はないか? → まず、管理会社にいつ調査したのかを確認しなければなりません。 そして、まだ調査していないような場合には、すぐに調査を行うように強く要請してください。 管理会社がすぐに対応しないのであれば、家主に対して、「管理会社は入居者の苦情にまともに対処しない。ルールを守らずマージャンをやる人がいるので、家主自ら調査の上で、ルールを守るように警告してほしい」というように要請してください。 それでも、管理会社や家主がきちんと対応しないようであれば、この騒音の相談コーナーの初めにある項目に記載している対策をご検討ください。 (6)隣の部屋から、深夜に洗濯するような音が聞こえてくる。うるさくて眠れないので、管理会社に苦情を申し入れたが、「生活騒音はお互い我慢が必要」と言われた。我慢するしかないのか? → 確かに、生活騒音はある程度の我慢が必要ですが、それは日中のことです。 騒音規制の基準値でも、深夜のほうが日中よりも厳しい基準値となっているのも、理由があることです。 騒音源が多いのに、動く生活をしている人が多く、しかも、騒音が伝わりにくい日中に比較して、深夜は、騒音源も少なく、寝ている人が多い上に、騒音が伝わりやすいのです。 従って、深夜に洗濯を行うというのは、「生活騒音」とは言えず、本来、深夜においては洗濯を行うという行為自体が問題だと思います。 また、洗濯自体が室内で行われているのか、ベランダなどの外部で行われているのかの違いも重要です。 もし、騒音が出やすいベランダで洗濯を行うのであれば、必ず日中に行うべきです。 いずれにしても、管理会社に、きちんとした対処を要請しなければなりませんが、それでも、管理会社がきちんとした対応をしないようであれば、直接本人に注意したり、家主を通じて注意したりするというような方法をとらなければならないでしょう。 それ以外の方法は、この騒音に関する相談コーナーの最初の項目で触れた対策をご覧ください。 (7)上階から、子供が走り回る音が聞こえてくる。ファミリーマンションなのである程度の騒音は仕方ないと思うが、我慢の限度を超えてしょっちゅう走り回っている。騒音が直らないようなら、上階の人に退去してもらいたいのだが、可能か? → まず、「我慢の限度を超えている」というのが客観的に証明できるものなのかどうかをはっきりさせなければなりません。 というのは、被害者の意識として「限度を超えている」といっても、加害者に退去を求めるほどの被害状況であるかどうかは、「被害者の証言」では証拠とはなり得ないからです。 客観的な証拠が得られない場合には、家主や管理会社の人に現場の状況を確認してもらい、その人たちの口から「これは確かにひどすぎる。限度を超えているのは確かであるので、加害者の行動を改めてもらえるように強く申し入れます」というように言ってもらわなければなりません。 また、上階の人の騒音がどこから発生しているのかを確認し、もし、その部分がフローリングなどである場合には、フローリングの上にカーペットなどを敷くなどして、騒音が伝わりにくくするような方法をとってもらうことも考えなければならないでしょう。 一方、家主や管理会社の人が現場確認しても、「この程度は我慢してもらうしかない」というような場合には、通常は、我慢するしか方法がないでしょう。 それでも我慢できないというのであれば、手間と費用がかかりますが、騒音測定を専門機関に委託し、客観的な証拠として、「限度を超えている」かどうかを確認しなければなりません。 しかし、測定結果として、確かに「限度を超えていた」としても、すぐに上階の人を退去させられるかといえば、簡単にはいきません。 このような場合、家主が同意して、家主の立場から退去を求めるのであれば交渉次第ですが、加害者とは法的関係にない被害者が、直接加害者を相手取って、退去を求めるという訴訟は非常に難しく、多大なコストを覚悟しなければなりませんので、そこまで深刻になるようであれば、自ら退去して他の物件に移動するほうがよりよい選択だと思われます。 (8)上階から、子供が走り回る音が聞こえてくるので、上階の人に直接苦情を申し入れたところ、「申し訳ありません。静かにさせます」と謝るが、実際にはいっこうに騒音が収まる気配がない。何かよい対策はないか? → 加害者が「罪」を認め、一応の謝罪を行っていながら、実際には、何ら状況が解決しないというようなケースですが、加害者が「罪」を認めない場合よりも、対策を立てにくい場合がよくあります。 しかし、一応は謝罪しているわけですから、自らの問題点については反省しているはずですので、実際にどのような対策をとっているのかをきちんと確認してください。 もし、「子供に走り回らないように注意している」というような対策しか行っていなかったとすれば、子供の自然な行動を抑止しようとしているわけですから、どうしても無理があります。 それに、建物の構造上の問題から、騒音が発生しやすいケースも多いので、上階の床の状況を確認し、フローリングなど騒音が出やすい構造である場合には、その上にカーペットなど騒音を出しにくいものを敷くなどして、子供が多少走り回ったとしても、騒音が伝わりにくい構造になるようにしてもらうほうがよいでしょう。 そのような対策を施してもいっこうに騒音がなくならないような場合には、上階の人と話し合い、「子供たちに走り回るなとは言わないので、走り回ってもよい時間帯と絶対に走り回らない時間帯に分けてもらえないか?その代わり、走り回らない時間帯は、厳しくしつけしてほしい」というような妥協策を持ちかけてはどうでしょうか? それ以外の対策としては、騒音に関する相談コーナーの最初の項目にある対策をご検討ください。 (9)上階から、子供が走り回る音が聞こえてくるので、上階の人に直接苦情を申し入れたところ、「子供が走るのはある程度仕方のないこと。それに騒音が聞こえるのはフローリングなのでどうしようもない」と突っぱねられた。何かよい対策はないか? → 確かに、子供が走り回るのはある程度は仕方ないことです。 それに、フローリングであれば、音が伝わりやすいため、ある程度の騒音が出ること自体は避けられないことです。 しかし、だからと言って、「どうしようもない」というわけではありません。 賃貸共同住宅では、お互いに、ある程度の騒音については我慢しあうことが必要ですが、それには、「受忍限度」というものがあります。 つまり、受忍限度を超えても、「どうしようもない」というわけではないのです。 そこで、実際の騒音レベルが、受忍限度を超えているかどうかを調査する必要があるわけですが、実際の調査となれば、多額の費用と手間がかかってしまいます。 そのため、実際の調査に代わるものとして、家主あるいは管理会社の人に現場の騒音状況を確認してもらい、それらの人の口から「確かにこれでは騒音がひどすぎることがわかった。上階の人に改善するように強く申し入れます」というように言ってもらうようにするのです。 しかし、家主や管理会社の人が現場確認に来るのを拒むようであれば、仕方ありませんので、次善の策として、騒音が出ているときの状況を録音し、家主などに聞いてもらうという方法を取らざるを得ないでしょう。(できるだけ現場の生の音を聞いてもらわないと、録音ではなかなか現場の状況は伝わりません) いずれにしても、家主や管理会社の人から、加害者である上階の人に交渉してもらうことが必要でしょう。 それでもうまく行かないような場合には、騒音問題に関する相談コーナーの最初の項目で触れたさまざまな対策を検討してみてください。 |