物件下見はここを必ずチェックしよう

――失敗しない物件下見のノウハウ

1.下見時に室内見学できないケースが多い

 物件資料で、建物全体や個々の部屋についての情報を得て、これだという物件を見つけたら、いよいよ現地での下見です。ここでは、物件の下見についての学習をしましょう。

 まず、「新入生の部屋探しのポイント」でもふれたように、学生の住まい探しでは、現地下見時に室内見学ができないケースが多いということを念頭においておかねばなりません。

 室内見学ができないならということで、現地見学を行わない人もいますが、たとえ室内見学ができなくても、現地でしか確認できないこともたくさんありますし、あとあとのトラブルを防止する上でも、物件の下見は行った方がよいでしょう。

2.下見同行案内

 一般の不動産業者で住まい探しをする場合には、ほとんどの業者は、下見同行案内を行っています。これは、地理に詳しくない新入生や保護者に対するサービスであると同時に、契約促進のための手段でもあるのです。

 きちんとした業者なら、下見の際に、物件のよいところだけでなく若干問題となるような点についても、ちゃんと説明してくれるでしょう。

 しかし、悪質な業者になると、物件のよいところだけをさらっと見せるだけで、「早く帰らないと物件がなくなってしまう」などと言って、形式的な下見しかさせないようにするのです。

 形式的な同行しかしないくらいなら、同行してくれるメリットは何もありません。しかし、業者から見れば、「都合の悪いところを見られたくない」とか「他の業者に逃がしたくない」というような理由で、わざと同行しているのです。

 大学で物件の紹介を受ける場合には、通常、下見同行はありません。大学生協などの場合にも下見同行は行わないケースがよくあります。

 これらは、形式的に考えるとサービス不足とも言えるわけですが、下見同行しないのは、あまりにも大勢の新入生が来場するために、下見同行するスタッフが圧倒的に足りないからです。

 下見同行がある場合には、同行のメリットを受けながらも、業者主導のペースにはまってしまって、物件のよくないところを見逃すようなことがないように注意しましょう。 

3.下見の手段

 業者が下見同行する場合には、業者の自動車で下見に行くことがほとんどです。

 しかし、自動車で下見に行く場合に注意しておきたいことは、実際の通学路とは異なる道を走ることがあることと、坂道などがあってもほとんど気がつかないということです。

 従って、自動車で下見に行く場合には、実際の通学路も同じ道かどうかを必ず確認しておく必要があります。

 自動車道は整備されていても、その道を利用すると遠回りになるため、通常利用する通学路は別ということも少なくありません。

 そのような場合、道が狭く、車道と歩道の区分もされておらず、その上、夜は暗くなるというケースもあるのです。

 また、悪質な業者になると、通常の通学路に何らかの問題点があるような場合には、わざとその道を通らないようにして物件を案内することもあるようです。

 自動車では遠回りされていても、それほど気がつかないことが多く、実際に生活してみてはじめて、下見案内された道が通学路ではないことに気づくこともあるのです。

 坂道があるところも注意が必要です。自動車で走っているときにはまったく気づかなくても、自転車などで走ってみると、はじめて坂道であることに気づくこともあるのです。

 下見手段として最もよいのは、実際の通学方法と同じ手段で下見を行うことです。

 自転車通学が多い地域の場合には、自転車でおこなうのがもっともよく、バス通学の場合には、そのバスを利用して下見を行うのがもっとも理想的です。

 ただし、レンタサイクルを借りるのは難しいケースが多く、通学バスでの下見も、住まい探しを行う時期が春休みになると通学バスの便がなくなってしまうようなケースも多いので、理想通りにはなかなかいかないのが現実ですが……。

4.下見する曜日と時間帯

 下見する曜日は、平日に行うのがよいでしょう。

 しかし、学生の住まい探しがもっとも多いのは土曜日です。従って、土曜日に下見を行う場合には、平日の様子を予想しながら行う必要があります。

 特に、電車などで通学する場合には、平日と土曜日とでは混み具合がまったく異なる場合があります。土曜日は通勤・通学する人が少なくても、平日には大混雑する路線もあるので、土曜日に下見する場合には、平日の様子を聞いておく方がよいでしょう。

 下見する時間帯は、午前中に行うほうがよいでしょう。

 なぜなら、午前中に下見した物件で満足できない場合には、午後に別の物件の下見を行う必要性が出てくることもあるからです。

 最初から午後に下見を計画していると、他の物件を見ようと思っても時間が足りなくなることもあるのです。

 また、春先などでは、日没時刻が早いので、日当たり状況がわかりにくくなり、落ち着いて下見ができなくなることもあります。午前中に下見ができるように、住まい探しの日は、できるだけ早く自宅を出るほうがよいでしょう。

5.下見する物件の数

 物件の下見はいくつ行うのがもっともよいのでしょうか?

 当然のことながら、納得できるまでいくつも物件の下見を行うのが理想的です。しかし、学生の住まい探しでは、そんな理想は現実的ではありません。

 なぜ、現実的ではないのでしょうか?

 その理由は、学生の住まい探しは、短ければ半日、長くても1泊2日程度で行わざるを得ないことと、他の大勢の新入生もほぼ同時期に住まい探しを行うからです。

 ゆっくりいくつも物件を回ろうとしても、手付金を収めた人からどんどん物件が決まっていき、条件のよい物件がなくなってしまうのです。

 また、仮にたくさんの物件の下見を行ったからといっても、すべてが満足できる下見になるとは限りません。というよりも、単に数をこなすだけの下見では、わざわざ現地を訪問する意味はないのです。

 だからといって、たった一つの物件だけではもの足りません。

 そこで、学生の住まい探しの場合には、下見するまでに、しっかりと自分の希望条件と優先順位をチェックしておき、物件資料の説明の段階で2〜3物件に絞込み、実際に下見をする物件は、最大でも3つ程度におさえておくのがよいでしょう。できれば、2つに絞り込んでおきながら、それらについては、きちんと現地での下見を行ったほうがよいと思います。

6.下見時にチェックする項目

 下見の際、チェックしたい項目は多岐にわたりますが、すべてをチェックする必要はありません。

 大事なことは、今から述べるチェック項目の中から、自分に必要なチェック項目をピックアップすることです。できれば、自分なりのチェックリストを作成して、効率よくチェックしていきましょう。

 まず、物件の周辺環境に関するチェック項目です。

 通学路については、自転車での通学が多い地域では、安全に走れるどうか、坂道が多すぎたり、きつすぎたりしないかなどを確認します。

 物件が住宅地にある場合には、夜道が安全に通行できそうかどうかを、外灯の設置状況などを見て判断します。

 通学路に、トラブルに巻き込まれかねないようなところ(怪しい人たちのたまり場となるような公園や暴力団事務所など)がないかどうかも見ておきましょう。

 電車で通学することになる場合には、最寄駅に駐輪場が整備されているかを確認します。

 駐輪場が整備されていない駅では、盗難の被害にあったり、放置自転車として処分されたりする可能性があります。

 バスで通学する場合には、バス停留所の平日の時間帯別の便数を確認し、ついでに終バス時間も忘れずにチェックします。便数が少ない場合には、バス通学そのものが難しくなります。

 物件周辺の環境のチェック項目としては、地域の性格(都市部か田園地帯か、住宅地域か、繁華街かなどの区分)はどうか、周囲に生活上、問題となるような施設がないかどうか、騒音・悪臭・異臭などの問題はないか、生活利便施設としてコンビニやスーパーが近くにあるかどうかなどです。

 物件そのものについては、まず、建物全体を見渡します。

 建物全体の日当たり状況はどうか、隣接する建物から近すぎないか、外壁に亀裂が入っていたり、コンクリートの基礎部分に白や茶色に粉を吹いていたりするようなところがないかどうか、ハトよけのネットや「メダマ風船」などがないかどうかなどを確認します。

 外壁に古い亀裂が入ったまま放置されているような場合には、他の部分も含めて、メンテナンスがきちんとできていない可能性が大です。

 コンクリートの基礎に粉が吹いている場合は、コンクリートの劣化が始まっています。

 ハトよけのネットなどがある場合には、ハトの糞に悩まされる(洗濯物が干せないなど)可能性があります。

 物件の1階がテナントになっている場合には、どういうお店かの確認が必要です。特に、飲食店やスナックなどが入っている場合には、騒音やゴキブリ出没などのトラブルが発生することがあります。
 マンションなどでは、受水槽の有無とその位置と外観の汚れ具合をチェックしましょう。

 1戸建ての住宅の場合には、水道局などから来る水道は蛇口まで直結されていますが、マンションなどの高い建物の場合には、いったん受水槽で水道水を貯めた後、各室に直送する場合と、屋上などに設置されている高架水槽までポンプで水を上げ、そこから各室に送る場合がほとんどです。

 一部の地域では、受水槽を設置せず、高圧直送で各室まで水道水を送っていることもありますが、水道の権利金(水道を敷くために自治体などに支払う費用)が高く、一般的ではありません。

 水道局は、安全な水道水を供給する義務を負っており、消毒のために、各戸の蛇口から出る水道水の残留塩素濃度が0.1ppm(1リットルの水に1万分の1グラムの塩素が溶けている状態)以上と定められています。

 ところが、受水槽がある場合には、水道局の責任は受水槽までなのです。受水槽から高架水槽、そして各室の蛇口までは、管理者である家主の責任とされているのです。

 家主は、年1回の水槽内の清掃と検査、月1回の施設の点検(外観・色・濁り・臭いなど)、週に1度の残留塩素濃度の測定を行うことなどが法律で義務づけられているのですが、罰則そのものが軽すぎるため、家主の「良心」に委ねられているのが実態です。そのうえ、10立法メートル以下の小規模な建物(だいたい20室程度以下に相当します)については、そうした義務さえないのです。

 保健所などでも、一部に「怪しい」物件があることはうすうす知っていても、調査して検査するための要員が配置されているわけではないので、よほどの「事件」でも発生しないと動けないのが実態なのです。つまり、水の安全性のチェックは、入居者自身である程度行わざるを得ないのです。

 そこで、まず、受水槽の設置場所と設置方法をチェックします。地下に設置されている(1975年以前に建築された物件など)場合には、家主や管理会社にメンテナンス状況についての資料を見せてもらえるかどうか一言聞いてみましょう。難色を示すようなら、他の物件にあたった方がよいかもしれません。

 地上に設置されている場合には、地上にじかに設置されているものと足場を組んで浮かして設置しているものがあります。後者の方式は槽のすべての面をチェックできるため、もっともよい設置方法といえるでしょう。

 受水槽の外観がそれほど汚れていなければ、メンテナンスは一応できていると考えられるでしょう。しかし、クモの巣だらけだったり、受水槽のふたにカギがかかっていなかったり、ひどい汚れがあるような場合には、メンテナンスがきちんとされていないと考えられます。

 ちなみに、受水槽には、1槽タイプのものと2槽タイプのものがあります。

 2槽タイプのものは、一つの槽を清掃していても入居者の使用が可能ですが、1槽タイプのものは、清掃日については長時間使用できなくなります。家主や管理会社からすれば、1槽タイプの受水槽については、清掃のたびごとに、いちいち入居者に「お知らせ」をしなければならず、文句を言う入居者がいると、それ以降、清掃作業を行うのが億劫になってしまうでしょう。そのため、2槽タイプの使用を指導している水道局もありますが、コスト面から1槽タイプが選ばれることもけっこう多いようです。

 次に、物件全体のメンテナンス状況のチェックです。

 ゴミ捨て場や玄関、郵便受け付近、階段、通路などがきちんと清掃されているかどうかをチェックします。

 また、ロビーなどの照明器具は汚れていないかどうか、クモの巣が張っていたりしないかどうか、ロビーにある掲示板などの張り紙が古くないかどうか、剥がれて放置されているようなことがないかどうかをチェックしましょう。

 郵便受けを見て、名前がきちんと記入されているか、壊れた郵便受けはないかどうかもチェックしておきましょう。

 その次は、駐輪場です。

 駐輪場が玄関から離れすぎていないかどうか、部屋数に合っただけの収容スペースが確保されているかどうか、屋根が付いているかどうか、外部の人が出入りしやすいところにないかどうか(人通りの多いところにあると、いたずらや盗難に遭う可能性が出てきます)などです。

 通路や階段については、暗すぎないか、汚れていないか、狭すぎないか、天井が低すぎないか、雨に濡れるような構造になっていないか、天井にひび割れがあったり、カビが生えていたりしないかどうかなどをチェックします。

 階段は、外階段か内階段かで、利便性が大きく異なります。

 外階段の場合には、雨の日の昇り降りが面倒ですし、騒音問題が発生することもあります。

 物件にコインランドリーや共同洗濯機が設置されているときは、その台数と部屋数の比率をチェックしましょう

 男女共用の物件では、男女ごとに指定のコインランドリーが決められていることがあります。

 そこで、自分が何台使えるのかを確認しておく必要があるのです。

 また、故障していないかどうかも確認しておきましょう。

 メンテナンスがきちんとされていない物件では、故障中の張り紙がいつまでも張ってあり、実際に使える台数が少ないこともあります。

 先にも述べましたが、共同利用の洗濯機は10人に1台以上欲しいものです。

 その理由は、コインランドリーなどを利用する場合には、「3日に1回の洗濯」をするような人が多いので、10人に1台あれば、1日当たり3人が洗濯することになり、時間調整を行えば、「いつまで経っても洗濯ができない」というようなケースはそれほど多くないからです。

 現地下見で、もう一つ大事なことは、大家さんや管理人との相性がよさそうかどうかを見きわめることです。

 何となく相性が悪そうだと感じていたのに、それでも契約したところ、実際に生活してから、お互いに気まずい思いをしたり、いろいろともめごとが発生したりした人もいます。

7.室内見学が可能な場合にチェックする項目

 次に、室内を見学することが可能な場合に、ぜひともチェックしておきたい項目について述べたいと思います。

 まずは、玄関ドアです。

 玄関ドアに関するチェックポイントは、玄関ドアという、外と内とをきちんと区別し、安全を確保するための基本性能が整っているかどうかという点です。

 実を言えば、日本では、諸外国に比べると、比較的治安が安定してきたために、玄関ドアの安全性についてはあまり関心が高くありませんでした。

 学生の住まいを設計する人も、玄関ドアについてはほとんど無関心です。

 しかし、社会的な経験が少なく、悪質な訪問販売の被害に遭いやすい学生の一人暮らし用の住まいにおいては、玄関ドアの安全性能をもっと重視する必要があるでしょう。

 そこで、玄関ドアを実際に見てみましょう。

 安全性能としては、インターフォンやテレビフォンがついているか、ドアチェーンがついているか、ドアスコープ(のぞき穴)がついているか、カギがしっかりかかるか(できれば2重カギになっている方がベターですが)、複製が作りにくいカギかどうか、ピッキング(かぎ開け)しにくい構造のカギかどうか(ふつうのシリンダー錠は、プロの手にかかると5秒で開けることができるのです)、サムターン回しやカム送り開錠などへの対策が採られたタイプのものか、ドアの内側からロックする機構が付いているか、そして、実際には、ほとんどないのですが、ドアが内開きかどうかをチェックしましょう。

 ドアチェーンやドアスコープについては、説明は不要でしょう。

 複製が作りにくいカギかどうかというのは、複製が作りやすいふつうのカギだと、カギの交換がされていなければ、以前の入居者が複製した合鍵を持っている可能性があるからです。

 安全性を重視する人は、合鍵を簡単に作ることができないカードキーなどの特殊なカギが使われている物件の方がよいでしょう。

 サムターン回しというのは、サムターン(鍵を使わず施解錠操作をするためのつまみ)を操作して解錠する手口で、カム送り開錠は、特殊な道具を用いて、錠シリンダーを迂回し、直接錠ケース内部に働きかけてデットボルトを作動させ解錠する手口をいいますが、これらへの対策ができているかどうかも、今後は重要なポイントになってくるでしょう。

 「ドアの内側からロックする機構」というのは、たとえ、合鍵が使われてドアを開けようとしても、内側からロックされていると、実際にはドアを開くことができないもので、防犯装置の一つです。ホテルの客室のドアを思い出してください。

 よく、「安全のために集合玄関にオートロックドアを採用しています」という宣伝にお目にかかります。

 しかし、オートロックドアの安全性にはいくつもの落とし穴があるのです。

 私が、非常に中途半端だと思うのは、集合玄関にオートロックドアを採用している物件のほとんどが、各個室のドアについては外開きになっており、ドアの内側にロック機構さえついていないことです。

 学生マンションの設計者はもっと住む人のことを考えてほしいと思います。

 皆さんは、ドアが外開きになっていることと、内開きになっていることでは、どういう違いがあるのかを考えたことがあるでしょうか?安全面では根本的に違う(『建築の発想』谷川正己著、朝日新聞社、P57からが参考になります)のです。

 ドアが外開きになっている場合、ドアの内側の狭いスペースが有効に活用できるというメリットはあります。

 しかし、例えば、訪問した人が、「宅配便です」などと言うのでドアを開けたところ、実際には、見知らぬ押し売りが立っていたというような場合、「帰ってください」と言ってドアを閉めようとすると、ドアを自分の方に引かねばなりません。押し売りが足をドアに挟んで抵抗すると、なかなかドアを閉めることができないのです。

 これに対して、ドアが内開きになっている場合には、ドアが内側に開く分だけ、そのスペースは有効利用できません。

 しかし、先ほどの押し売りなどがやってきた場合、ドアを閉めるためには、ドアを押せばよいのです。自分の体重をかければ、ドアを閉めるのは容易です。相手が足をドアに挟んでいても、そのまま押せば、足の骨が折れるかも知れず、相手はびっくりして足を引っ込めるでしょう。

 もっと極端な例で考えると、よりわかりやすいでしょう。

 例えば、ナイフを持った強盗が押し入ろうとしたとき、外開きのドアを閉めようとすると、ドアの隙間から、ナイフで切りつけられるかもしれません。しかし、内開きのドアの場合、ドアの後ろに隠れることができるので、ナイフで切りつけられることはないのです。

 日本以外の、特に、治安に問題のある国や地域では、ドアは内開きが常識です。

 日本でも、安全性を重視するホテルでは、当然のことながら、内開きになっているのです。

 女性専用などで安全性を強調するなら、オートロックなどよりも内開きドアにするほうがよほど安全だと思います。

 設計者は、もっと入居者の安全性についての配慮を行うべきではないでしょうか?

 さて、ドアを開けて室内に入れば、いよいよ室内のチェックです。

 まず、最初は、玄関のチェックです。

 チェックポイントは、玄関の広さ(半畳ほどの広さがほとんどです)、

 靴箱があるかどうか(ある場合には何足くらい収納できるか、女性の場合はブーツが収納できるか、靴箱がない場合には、どれくらいの靴・ブーツが置くことができるかなど)などです。

 その次は、室内を軽く一回りし、バルコニーに出てみましょう。

 日当たり状況はどうでしょうか?

 最初に、建物全体の日当たり状況をチェックしているはずですが、個別の部屋になると、状況が異なっていることもあります。

 バルコニーからの眺めもよいに越したことはありません。

 歩いている人がいたら、自分が見下ろしていることを確認しておきましょう。

 もし、万一、敷地が掘り下げられているような物件の1階の部屋で、通行人から見下ろせるような状態だったら、簡単に室内を覗かれる可能性があります。

 バルコニーそのものについてのチェックポイントは、バルコニーの大きさ(幅と奥行き)、天井つきかどうか、床が汚れていないかどうか、物干し台(物干し器具)はどこにあるか、天井部分がある場合にはひび割れが発生していないかどうか、手すりとコンクリートの接合部分がさびていないかどうか、バルコニーと建物本体との接合部分がひび割れていないかどうか、布団を干すことができそうか、そして、排水口にゴミなどが詰まっていないかどうかなどです。

 物干し台(物干し器具)は、手すりの上部にある場合と手すりの内側に折りたたみの物干し器具を取り付けている場合があります。

 上部にあるほうが日当たりや風通しがよいので乾きやすいのですが、外からの見栄えが悪くなるというような理由や洗濯物が盗難に遭いやすいという理由で、手すりの内側に物干し器具が設置されていることもあります。

 女子専用物件では、理想を言えば、上部にふつうの洗濯物を干せるようにしながら、手すりの内側に下着類を干せるように、折りたたみの物干し器具を設置しておいてほしいものです。

 バルコニーのチェックを終えたら室内に戻りますが、そのついでに、窓をチェックします。

 バルコニーがある場合には吐き出し窓(床まで届く窓)のはずです。しかし、腰窓(床まで届かない窓)の場合には、バルコニーとは言っても、正確にはフラワーボックスのようなものでしかありません。そんなバルコニーでは、ほとんど飾りに近いのです。

 バルコニーがない場合には、窓のサイズを確認します。
 
 次に、サッシを見て、サッシの上部に通風口があるかどうかを見ます。

 通風口があるほうが換気しやすいので便利です。

 物件が都心部にあり、窓が大通りに面している場合には、そのサッシは、ふつうのサッシではなく、ペアサッシ(2枚のガラスが一つのサッシにおさまっているもの)か、エアタイトサッシ(音漏れしにくいようにサッシの隙間をゴムなどでカバーしたもの)の方がよいでしょう。

 また、サッシに網戸がついているかどうか、ついているときには破れていないかどうか、カーテンレールはダブルかシングルか、カーテン自体はついているのかどうかなどをチェックします。

 窓ガラスが網線入りガラスの場合には、ひびが入りやすいので、ひび割れがないかどうかをチェックします。

 窓ガラスの開閉がスムーズかどうかも忘れずにチェックしておきましょう。

 その次は、玄関に向かい、キッチンのチェックです。

 キッチンは、居室との間に仕切ドアがある独立キッチンですか、それとも、居室内に設けられた内キッチンでしょうか?

 においが居室に充満しないように、また、油を使った料理をした場合には床に油が飛び散ってしまうので、独立キッチンの方が使いやすいでしょう。

 居室との間に仕切ドアがある場合には、ドアの開き方(引き戸か引き違い戸かの違い)に注意しましょう。

 ドアが当たる場合には、その部分については、家具や物を置くことができないからです。

 居室とキッチンの床の高さ(レベル)の違いもチェックしましょう。通常、配管スペースなどの関係上、居室とキッチンの床の高さは違います。

 しかし、物件によれば、その高さが違いすぎて、非常に使いづらいものもあります。実際に何度か往復してみればわかるでしょう。

 そして、キッチンの大きさを確認します。

 幅90センチのミニキッチンか、それとも120センチのキッチンでしょうか?

 次に、コンロの種類(電気・電磁・ガスの区別)を確認します。都市ガスの場合には、その規格もチェックします。

 コンロは1口か、2口か、そして、コンロは持ち込みか、備え付けかをチェックしますが、持込となっているのに、前の入居者が使用していたものがそのまま置いてあるというような場合がありますので、コンロが置いてあっても、必ずしも備え付けとは限りません。

 コンロの火加減調整の方法も、確認するに越したことはありません。

 まな板置場のスペースもチェックしておきましょう。ただし、ミニキッチンには、まな板をおいて調理するスペースはありません。

 冷蔵庫の置場のスペースも確認が必要です。

 置場の幅と奥行き、高さ、コンセントの位置も確認しておきます。

 実際に使用する冷蔵庫の幅と奥行きは、冷蔵庫置場の幅と奥行きよりも10センチ程度は小さ目のものを用意しなければなりません。

 なぜなら、ぎりぎりのスペースになると、冷蔵庫の排熱の逃げ場所がなくなったり、冷蔵庫の後ろがすすけてくる可能性が高くなるからです。ミニキッチンに、ミニ冷蔵庫が内蔵されていないかどうかもチェックしておきましょう。

 シンクについている蛇口は、どのような蛇口でしょうか?

 シングルレバーの混合栓がもっとも便利ですが、ふつうは、お湯と水の2つの栓がついている蛇口が多いようです。

 最低限、お湯が出るかどうか、そして、蛇口からの水の出具合をチェックしておきましょう。

 キッチン内の電気のコンセントの位置についてもチェックしておきましょう。

 次は、浴室です。

 浴室の中に入り、まず、その清潔度をチェックしましょう。

 浴槽に座ってみて、ちゃんと体がつかれるかどうかを確認します。

 湯沸し方式も確認しておきます。
 
 つまり、バランス釜による水張り方式か、最新式の自動湯張り方式か、混合栓での給湯方式か、お湯と水を混合させる給湯方式かなどの違いです。

 深夜電力を利用した電気温水器を利用した設備もありますが、この場合には、タンクの容量を確認しておきましょう。小さなタンクだと、お湯が足りなくなってしまうこともあるからです。

 シャワーについては、シャワーの位置、可動式かどうか、水の出具合、シャワーカーテンの有無(ユニットバスの場合)をチェックします。

 換気扇については、特に、その音を確認します。時に、古く性能の劣る換気扇は、音が非常にうるさい場合があります。

 やる気があれば、排水口の位置と形状も確認しておくのも悪くありません。

 浴室には洗面台も併設しているのがふつうですが、床の排水口のふたを開けておき、浴槽に水を流してみて、床の排水口に浴槽からの排水が流れてくるような構造になっているものは、排水口が詰まっているのを知らずに、浴槽のお湯を抜いてしまうと、排水が溢れ出す可能性があります。ある種の欠陥構造といえるでしょう。

 トイレは、セパレートタイプの場合は独立して、ユニットタイプの場合には浴室内に設置されています。

 チェックポイントとしては、清潔度、便座の形状(O型か、U型か)、便器のふたが壊れていないかどうか、水の流れ具合、タオル掛けがあるかどうか、換気扇の動き具合などです。

 さらに、ユニットタイプの場合に忘れてはいけないのが、トイレットペーパーホルダーの位置です。

 つまり、ホルダーが浴槽の反対側にあるほうがよいのです。なぜなら、浴槽側にホルダーがあると、入浴したときに、ペーパーが濡れてしまう可能性があるからです。

 普通は、当然のことながら浴槽の反対側にあるのですが、一部に浴槽側についているものもあるのです。

 洗面台については、清潔度、鏡の大きさ・きれいさ(鏡がないと不便です)、蛇口の形状と使い勝手、水の流れ具合、歯ブラシや化粧品類の置き場所、ヘアードライヤー用・電気カミソリ用の電気コンセントの有無、タオル掛けの位置などです。

 浴室・トイレのチェックが終わると、洗濯機が設置できる物件の場合には、設置場所の確認と洗濯機置場(防水パン)のサイズの確認です。

 居室内では、まず、収納スペースをチェックします。

 クローゼット、押入れ、吊り棚などがあるか、クローゼットは、大きさと内部の仕切りの有無、仕切りが取り外しできるかどうか、女性の場合にはロングコートがかけられるかどうかなどを確認します。

 次に、電気のコンセントの位置とコンセントの数をチェックします。

 パソコンや周辺機器を使用すると、コンセントの数が足りなくなることが多いので、コンセントは最低2ヶ所、できれば3ヶ所ついているほうがよいでしょう。

 電話回線やテレビアンテナや(最近では)LANの端子口(モジュラージャックやアウトレット)の位置も、忘れずに確認しておきましょう。

 エアコンなどが設置されている場合は、エアコンか、それともクーラーかの違い、除湿機能やタイマー機能がついているか、リモコンがついているかなどをチェックします。

 以上の設備を確認することができれば、最後に、居室の縦・横のサイズを測っておきましょう。

 鉄筋コンクリート造の建物の場合には、居室の隅にコンクリートの柱の部分の出っ張りがないかどうか、壁の上方部分にコンクリートの梁の出っ張りがないかどうかを確認し、それらがある場合には、それらの部分のサイズも忘れずに測っておきましょう。

 そのためには、100円ショップなどで販売されているストッパー付きの3.5メートル程度のメジャーを用意しておくと、1人でもサイズを測ることができるので便利でしょう。