住み替えを失敗しないために!(住み替えに役立つ情報)

 初めての住まい探しと、すでに賃貸生活をしている人が住み替えを行う場合では、住まい探しのポイントが異なります。
 その違いを知らないと、つまらない失敗をしてしまう可能性があります。
 ここでは、賃貸生活の経験が少ない学生が住み替えを行う場合の注意点を中心に、アドバイスしていますが、一般社会人の方にも参考になると思います。
 <なお、ここに掲載の情報は、管理者が勤務する特定非営利活動法人フリーダムで提供しているものです>

<住み替えの準備>
1.まず、契約の種類を確認せよ!
2.契約年数と経過年数を確認せよ!
3.契約書に、「途中解約条項」があるかどうかをチェックせよ!
4.途中解約通告時期をチェックせよ!
5.契約の終了日と入居可能最終日の違いをチェックせよ!
6.住まい探しの条件を明確にせよ!
7.「事前予約」等に過度な期待をしないこと
8.「契約更新確認の締切日」と住まい探しの時期との関係
<住み替えの物件探し>
1.物件を探す時期別のポイント
2.インターネットであらかじめ「家賃相場」をつかんでおくこと
3.引越し時に持っていくものが置けるかどうか
4.「即入居可能」物件についての注意
5.下見は、できるだけ自分の足で、昼と夜の2回が理想
6.下見時に、入居者に住み心地を聞いてみよう
7.契約申込日・契約締結日・契約開始日(家賃発生日)・入居可能日のチェック
<住み替えに関するトラブルが発生したら>
1.契約期間の「谷間」ができそうになったとき
2.どこにも行けない「空白期間」ができたとき

<住み替えの準備>

 2〜4年、大学院進学まで入れると、それ以上の期間、いわゆる下宿生活を送る学生が多いのですが、その間、ずっと同じところで生活する人よりも、途中で住み替えする人が多いのが実態です。

 その理由としては、次の3つが考えられます。

○ 新入生のときに、時間的な余裕のない部屋探しをせざるを得ないケースが多く、必ずしも、最初に契約した住まいに満足していないこと。
○ 新築物件が続々と誕生し、しかも、条件面でも、既存物件よりも有利なケースがあること。
○ 更新時に更新料を請求される物件が多いため、「更新料を支払って引き続き入居するか、それとも、他の物件に引越しするか?」を考える人が多く、その機会に住み替えをする人がいること。

 そのため、住み替えをしようとする人が多いのですが、上手に住み替えできず、トラブルに遭遇したり、無駄な出費をせざるを得なかったりする人が多いのです。

 その理由としては、次のような点が挙げられます。

○ 新入生の住まい探しを親任せにしてきた人にとっては、初めての住まい探しも同然であり、住まい探しの時期・手順・方法・費用自体がよくわかっていない(のに、自分では知っているつもりであること)。
○ 新入生のときの住まい探しとその後の住み替えでは、注意すべき点がまったく異なることを意識しておらず、そのために、後に述べるような「空白期間」を生じさせてしまったり、家賃の二重払いをせざるを得なかったりすること。
○ 「事前予約」などで、物件を押さえた人が、業者間の激しい競争のあおりを受けて、十分検討する時間的余裕を持たずに、業者の言われるままに契約してしまうケースがあること。

 そこで、住み替えを失敗しないようにするために、住み替えのための重要な手順・ポイントをお伝えします。


1. まず、契約の種類を確認せよ!

 住まいの賃貸借契約には、「一般の契約」と「定期借家契約」の2種類があるのを知っていますか?
 「一般の契約」と「定期借家契約」の大きな違いは、後者が、原則として、契約期間中の途中解約を認めていないことです。
 ふつう、学生マンションやアパートでは、ほとんどが、「一般の契約」ですが、「定期借家契約」となっているケースも皆無ではありません。
 そこで、住み替えを考える際、自分が住んでいる物件が、どのような契約なのかをまず確認しておいたほうがよいでしょう。

2. 契約年数と経過年数を確認せよ!


 住んでいる物件の契約年数は何年ですか?また、現在は、入居後、どれくらいの経過年数となっていますか?
 ふつう、契約年数は、1〜2年間というケースが圧倒的に多いのですが、例えば、2年契約の契約満了時に住み替えを計画するのと、1年目に住み替えを計画するのとでは、注意ポイントが異なります。
 前者の場合の注意ポイントは、家主や管理会社からの「契約更新確認の締切日」までに、退去(他の物件に引越しする)か、更新して住み続けるかのどちらかの返事をしなければなりませんので、それまでには、移動するかどうかの意思をできるだけ決めておかなければならないということです。
 後者の場合の注意ポイントは、契約書の中に、「途中解約条項」が入っているかどうかを必ず確認しておくことです。

3. 契約書に、「途中解約条項」があるかどうかをチェックせよ!

 契約期間の終了時(契約満了日)に、契約更新せず、退去して他の物件に引越しするのは自由にできるのは当然です。
 しかし、契約期間の途中でそれが自由にできるかというと、「ノー!」なのです。
 本来、契約というのは、「家主と借主が双方納得して決めたこと」(実際には、借主にとっては、家主さんが決めた契約書に従うかどうかの判断しかできないケースがほとんどですが‥)とされていますので、契約期間についても、納得して決めているはずですので、契約期間の途中で、借主が、「やめます」ということはできないというのが大原則なのです。
 ところが、そうすると不都合なケースも出てくるというので、「契約書の中で途中解約の取り決めの特約を定めれば、特約に従うことにしましょう」ということしたのです。

民法第618条(期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保)

 当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約する権利を留保したときは、前条の規定を準用する。


 逆に言えば、「途中解約条項」という特約のない契約であるならば、契約期間中の途中解約はできないことになるのです。
 実態としては、ほとんどの物件の契約書には、この「途中解約条項」が定められています。
 しかし、万一、この条項のない契約書を使用している場合には、契約終了時点まで、引越しはできませんので、無用のトラブルを防ぐためにも、必ず、「途中解約条項」の有無を確認しておかなければならないのです。

4. 途中解約通告時期をチェックせよ!

 契約期間の途中で引越しを考える場合、「途中解約条項」を確認できれば、次は、その通告期限です。
 これは、「解約予告期限」とも言いますが、要するに、何ヶ月前までに家主に解約の通告しなければならないのかということです。
 通常、社会人の多い一般物件では、「1ヶ月前」が多く、学生専用マンションなどでは、「2〜3ヶ月前」となっています。まれに、「6ヶ月前までに通告せよ」というようなケースもありますが、このような場合には、消費者契約法違反の可能性が強くなります。
 いずれにしても、この期限を守らないと、次の物件の家賃発生月とダブってしまい、二重に家賃を支払わなければならない羽目に陥ってしまいます。注意しましょう。

5. 契約の終了日と入居可能最終日の違いをチェックせよ!

 次は、契約終了時に、引越しを考えている人の場合です。
 この場合に注意しておくべきことは、「契約終了日と入居可能最終日が異なるケースがある」ということです。
 つまり、契約期間の終了が3月末日となっていても、特約などで、実際に、その物件に住むことができるのは3月20日までというようなケースが、非常に多いということです。
 あるいは、法律上の考え方ではおかしいのですが、「原状回復(清掃・内装工事)に1週間かかるので、契約期間終了の1週間前までに退去して下さい」というようなケースもよくあります。
 いずれにしても、これらのケースでは、単に、契約終了日を知っているだけでは不十分であり、「実際に住むことができる最終日はいつなのか?」をきちんと確認しておかなければならないのです。
 「実際に住むことができる最終日」をきちんと確認しておかないと、「3月末まで住めると思っていたので、3月30日に入居できる物件の契約をしたが、契約後に、実際には3月20日までしかいられないことがわかり、10日間、路頭に迷うことになってしまった。自分だけなら友達のところに強引に居候できるが、荷物はどうしよう‥‥‥?」というようなことが発生するのです。

6. 住まい探しの条件を明確にせよ!

 新入生のときは、親任せで住まい探しをした人も、自分で住まい探しをすることになると、その条件をきちんと明確にしておかないと、なかなかぴったりの物件を見つけることができませんし、不動産屋さんに行ったときも、きちんとした対応をしてもらえず、逆に、不動産屋さんの言いなりになってしまい、契約後に、「しまった!」という思いをした人も大勢います。

7. 「事前予約」等に過度な期待をしないこと

 学生の街である京都では、一方では、賃貸業者銀座とも言えるくらい、数多くの賃貸仲介業者が存在しています。当然、業者間の競争も激しく、サービス面でも競争しています。
 そのサービスの一環として取り組まれているのが、「物件の事前予約」です。
 これは、業者によって、いろいろなバリエーションがありますが、基本的には、「希望条件や希望物件を業者に登録しておくと、条件に合う物件に空室が出たときに優先的に紹介してもらえるシステム」です。
 基本的には、非常に便利なシステムなのですが、中には、単に、部屋探しをする人の個人情報を収集して、自社の営業活動に利用するために行っているケースもあるようです。
 物件の管理会社に直接登録する場合はともかく、仲介業者に登録する場合には、予約システムの内容をきちんと確認しておいたほうがよいでしょう。
 いずれにしても、事前予約をしているということで、もっと条件のよい物件が数多く出回っている可能性がある時期に部屋探しをせず、あとから、「しまった!」という人もいるので要注意です。

8. 「契約更新確認の締切日」と住まい探しの時期との関係

 家主や管理会社から、「契約更新のご案内」の書類が届くのは、業者によってまちまちですが、中には、契約終了の半年以上前(3月末の契約終了なのに夏頃に更新案内を送っている)というケースもあるようです。
 契約更新の案内書類では、「○月○日までに必着」というような記載がされていますが、この締切日(契約更新確認の締切日)が早すぎると、「もっと条件のよい物件が出たなら引越しを考えたい」という人にとっては、返事がしにくいものです。
 その上、いったん、退去か更新のいずれかの返事をしてしまったら、後から撤回することはできないのが原則です(もっとも、家主や管理会社が認めてくれれば問題ありませんが‥)。

 したがって、締切日の到来時期が早く、まだ、次の物件の空室が出てこない場合には、次のような対策のいずれかを打たなければなりません。
○ 家主や管理会社に連絡し、とりあえず素直に、「引越しするかもしれないので、空室がはっきりする○月○日頃まで返答を待ってほしい」とお願いし、妥協線を探る。(もっとも理想的)
○ 家主や管理会社がまったく相手にしてくれない場合には、「契約書上では、更新するかどうかの返事を○ヶ月前までにすればよいことになっている(はずな)ので、それまでには返事をします」と宣言する。
○ 家主や管理会社にはまったく連絡せず、督促をかけてくるまで待ち、そのときに、回答期限の引き延ばしをお願いする(ほめられた対応ではありませんが)。
○ 回答期限を守り、条件がよい物件の空室が出てくることを期待して待つ。
○ 回答期限を守り、その時点で住まい探しを行い、契約期間の途中でも引越しを考える。

<住み替えの物件探し>

1. 物件を探す時期別のポイント

 ここからは、準備ではなく、実際の住み替えに関して、押さえておきたいポイントです。
 契約期間の途中で、新たな物件を探す場合、時期別にチェックしておきたい事柄があります。

<4月>
 この時期は、入居のピークであり、条件のよい物件はすべて契約されているはずですが、何らかの事情により、キャンセルが発生する場合もありますので、タイミングが合えば、条件のよい部屋が見つかる可能性もあります。
 しかし、実際には、すでに、4月からの更新手続きを行っているはずですので、仮に、条件のよい部屋が見つかったとしても、いまさら退去するとなれば、更新費用が無駄になり、しかも、家主さんとの間で大揉めする可能性もあります。
 したがって、契約期間中の途中で引越しを考えるケースとしては、4月に入居したばかりの新入生が、何らかの事情(シックハウス症候群とか)で退去せざるを得ない場合に限定して考えるべきです。

<5〜10月頃>
 この時期は、家主さんにとっては、「来年の春まで空室を覚悟する」時期でもあります。つまり、どういうことかといえば、家主さんにとっては、この時期に入居してもらえるのは、本当に感謝したい時期なのです。
 これを借主側の立場から見れば、家主さんの足元を見て、入居条件を交渉できる可能性がある時期ということです。もちろん、物件によって、また、家主さんや管理会社の考え方によって、対応は千差万別ですので、どれも同じとはいえませんが、基本的には、交渉しやすい時期です。
 一方、この時期特有の注意事項があります。たとえば、1年契約の物件を10月から契約した場合、翌年の9月までが契約期限となりますので、翌々年の春まで住み続けたいというようなとき、半年だけの入居期間なのに、更新料を1年分支払わなければならない可能性があるということです。
 したがって、この時期に、住まい探しをして契約する場合には、自分がいつまで住みたいのかをはっきりさせ、たとえば、「10月から契約して契約終了は翌々年の3月にしたい。そして、できれば、1年契約の礼金のままで、1年6ヶ月契約としてもらえませんか?(そのほうが家主さんにとっても、中途半端な時期に空室が発生せず、よいのでは‥?)」というような交渉を行うのです。

<11〜12月頃>
 この時期は、<5〜10月頃>と比較すると、家主さんの態度に変化が現れる時期です。つまり、翌年春の空室がぼちぼち出だす時期であり、一方で、春からの入居のための住まい探しも始まりますので、それまでの時期と比較すると、条件交渉に応じてくれる可能性が低くなるのです。ただし、いつから家賃が発生するのかについては、交渉で「4月からでオーケー!」という場合もありますので、だめもとで交渉してみる価値はあります。
 なお、住まい探しをする人にとっては、地域によって多少事情は異なりますが、翌春の空室がまだ出揃わない時期ですので、限られた物件の中から、住まいを探さなければなりません。

<1〜2月頃>
 この時期は、私立大学などでは新入生の住まい探しと在校生のそれが重なる時期であり、家主さんにとっても、もっとも書入れ時です。一方で、空室が出揃う時期でもあります。条件交渉は不可能と考えたほうがよいでしょう。

2. インターネットであらかじめ「家賃相場」をつかんでおくこと

 不動産業者に行って、住まいの相談を行う際、家賃相場をきちんと押さえた上で相談される場合と、まったく知らないで「理想論」ばかり言われる場合とでは、どちらが、よい物件にめぐり合えるかは、ご想像の通りです。
 不動産業者の担当者も、感情のある人間です。あまりに、無茶苦茶な現実とかけ離れた理想ばかり追求されると、「もう勝手にしてくれ!」といいたくなります。そんなときに、「条件のよい物件を頑張って探してあげよう」という気になるはずはないでしょう。
 担当者にとっては、きちんと家賃相場を押さえた上で、自分に合う条件を明確にしてくれる人のほうが、より条件的にぴったりした物件を探しやすくなります。
 そのために、事前に、自分が探そうとする地域の不動産業者のホームページなどで、希望する条件の物件の家賃相場をある程度、押さえておくようにしましょう。

3. 引越し時に持っていくものが置けるかどうか

 現在、住んでいる物件が、「洗濯機持込」であれば、次の物件も、同じように「洗濯機持込」の物件でないと、洗濯機が路頭に迷ってしまいます。他にも、大型の家具類があれば、それが置けるかどうかを考えておかないと、やはり、「路頭に迷う」ことになったり、処分のためにお金を使った挙句、次の物件で代替品を購入するなどという羽目に陥る可能性だってあります。
 そこで、特に、大型の家具類などで、引越し時に持っていくものが置けるかどうかを念頭において、住まい探しをしなければなりません。(この点は、新入生の住まい探し時には考える必要のなかったことですので、うっかりして、引越し直前に気づく人もいるのです。)

4. 「即入居可能」物件についての注意

 不動産業者の資料や、ホームページなどで、「即入居可能」となっている物件があります。
 この「即入居可能」物件には、メリットとデメリット(となる可能性)がありますので、チェックが必要です。
 まず、メリットですが、すでに、空室となっている部屋ですので、室内の様子がきちんと確認できることです。
 逆に、デメリット(となる可能性)は、まだ、すぐには引越しできないのに家賃が発生してしまう可能性があるということです。
家賃発生の可能性については、個々のケースごとに、家主や管理会社と相談しなければなりません。
 これらの点を知っておかないと、契約してしまってから、現在住んでいる物件の家賃との二重払いが発生してしまう可能性が出てくるのです。

5. 下見は、できるだけ自分の足で、昼と夜の2回が理想

 一般的には、物件の下見は、不動産業者が案内してくれるケースが多いと思いますが、不動産業者が案内してくれるときは、当然のことながら、「契約してもらうために下見に行く」わけですので、「ひょっとしたらよくないかも」という点については、きちんと説明してくれない可能性もあります(もちろん、問題点もきちんと説明してくれる良心的な業者も多いのですが、すべてがそうだと限りませんので‥)。
 新入生の住まい探しの場合には、時間的な余裕がないケースがほとんどなので、短時間の下見で、契約するかどうかを即断即決しなければなりませんが、通常時期の住まい探しでは、時間的な余裕が有るケースが多いので、そのような場合には、できる限り、納得できるような下見を心がけたほうがよいでしょう。
 もっともよいのは、昼間は、不動産業者に案内してもらって下見を行い、「契約するかどうかの判断は翌日まで待ってほしい」とお願いし、その日の夜に、今度は、自分の足で、再度下見を行うことです。
 この2回にわたる下見を行うメリットとしては、昼と夜の様子の違い(周辺環境の様子、人の通行量の違い、街灯の有無・明るさなど)がわかることと、もよりの公共交通機関の利便性を確認できることなどが挙げられます。
 特に、女性の場合には、周辺環境は、きちんと確認しておきたいものです。

6. 下見時に、入居者に住み心地を聞いてみよう

 これは、時間的な余裕があるときや、たまたま、下見したときに、入居者の出入りがあったときにやりたいことですが、たとえば、その物件から入居者が出かけるのに遭遇したとき、「こんにちは、私、実は、このマンションに住もうかと思って下見しているんですが、住み心地とかどうですか?」と、軽い調子で聞いてみるのです。
 軽い調子で聞いてこられたら、それほど警戒されることもなく、「けっこういいよ!」とか、「あんまりおすすめできないなあ」とか、教えてくれるかもしれません。

7. 契約申込日・契約締結日・契約開始日(家賃発生日)・入居可能日のチェック

 下見で物件が気に入ったら、契約手続きに入ることになるわけですが、正式の契約手続きに入る前に、不動産業者の宅建主任者から、重要事項説明がありますので、ここできちんと内容確認をしておいてください。(なお、宅建主任者以外の人が重要事項説明を行うようなところは、あまりお勧めできません。なぜなら、宅建業法では、宅建主任者以外が重説(重要事項説明のこと)を行うことを厳禁しており、それを守らない業者なら、他にも守らないことが出てくるかもしれないからです。)
 きちんと確認しておきたいのは、契約申込日・契約締結日・契約開始日(家賃発生日)・入居可能日の3つの日付です。
 通常、契約手続きをした日が契約申込日であり、家主の審査がある場合には、審査に通らなければ、契約成立とはなりません。審査がない場合には、契約申込日=契約締結日(≒契約成立日、厳密には違うのですが、ここでは詳しくは触れません)となります。
 しかし、契約を締結したからといって、すぐに家賃が発生するわけではなく、通常は、契約の開始日が、家賃の発生日となります。
 ところが、家主の中には、契約締結日を無理やり契約開始日としてしまい、入居できないことがわかっているにもかかわらず、「家賃を支払ってくれ」といってくるケースもあるのです。
 そのような場合には、それでも契約するのかどうかをもう一度考え直したほうがよいでしょう。でなければ、入居できない1ヶ月以上の間、無駄な家賃(「空家賃」と呼んでいます)が発生するからです。
 次に、契約開始日と実際の入居可能日の関係です。
 すでに、空室となっている部屋の契約の場合には、「契約開始日をいつにするか」という交渉が必要不可欠です。さもないと、先にも述べたように、家賃の二重払いが発生してしまう可能性があります。
 契約開始日がかなり先で、ちょうどその頃に現在の物件の明け渡しがある場合、何の問題もなさそうに思いますが、中にはトラブルとなるケースもあるのです。
 それは、契約開始日=入居可能日ではないからです。契約開始日より前に、入居可能(「契約開始日は4月1日だが、実際の入居は3月30日から可能)というようなケースもあります。しかし、最も多いのが、「契約開始日は確定しているが、入居可能日は未定である」というケースです。
 これは、契約しようとしている物件に現在住んでいる人がいつ退去するかが定かではなく、その上、内装工事が必要なのかどうかもわからないケースが多いからです。
 このような場合、業者から「未定です」と言われて、「あー、そうですか」と返事していたのでは、「前の住まいは退去したが、次の物件への入居ができない」という「空白期間」ができてしまう可能性が大きくなってしまいます。
 そこで、「入居可能日は未定です」といわれた場合、「では、最悪のケースとして、いつまでに入居できるのですか?」という日を特定してもらうようにし、できれば、現在住んでいる物件の退去日と合わせるように調整するのです。

<住み替えに関するトラブルが発生したら>

1. 契約期間の「谷間」ができそうになったとき

 物件自体は非常に気に入ったものの、現在の住まいの契約終了日と、次の物件の契約開始日までの間に、契約期間の「谷間」ができるというケースがあります。
 このような場合、契約手続き前と契約手続き後では、家主・管理会社や仲介業者との交渉において、立場がまったく違ってきます。
 契約手続き前であれば、「物件自体は非常に気に入ったけれど、契約期間に『谷間』ができてしまうので、他の物件を一から探します」と言えば、超人気物件以外は、家主・管理会社ともに、何とか契約手続きに入ってもらうために、現在の入居者と調整作業をしてくれたり、どうしても、都合がつかない場合でも、「荷物だけなら何とかお預かりしましょう」などと言ってくれたりする可能性があります。仲介業者にしても、せっかく下見までしたお客が、他の業者に行ってしまわないように、引止め工作の一環として、家主や管理会社に交渉してくれるかもしれません。
 ところが、いったん、契約手続きに入ってから、同じように申し出た場合、家主・管理会社は、ある程度の努力はしてくれるかもしれませんが、よほどのことがない限り、解約することはないだろうということで、適当にあしらう可能性もあります。仲介業者の場合には、特に、「契約後は、原則として、解約しても手付金・仲介手数料は返さない」というところでは、まともに対応してくれない可能性もあります。
 したがって、契約期間に、「谷間」が出てきそうな場合には、その物件をどうしても契約したいのかどうかを自分に問いかけ、「契約したい」と考えたときも、契約手続きのタイミングを調整したほうがよいでしょう。

2. どこにも行けない「空白期間」ができたとき

 契約手続きが終わり、次の物件への入居は確定したものの、やむを得ず、どこにも行けない「空白期間」が生じてしまう場合があります。

 このような場合、過去の先輩方は、どのような「対策」をとってきたのかをご紹介します。
○ 「前の物件の家主・管理会社に泣きついて何とかしてもらう」
○ 「次の物件の家主・管理会社に泣きついて何とかしてもらう」
 例えば、空いている部屋に一時保管してもらったり、家主のところに預かってもらったり、廊下などに一時的に置かせてもらったりなどです。
○ 「一時預けができる引越し業者を使う」
 空白期間が1週間以内などの短期間の場合、一時預けサービスを実施している引越し業者を利用するというケースです。
○ 「トランクルームに一時預けする」
 ある程度の長期間になる場合や荷物が多い場合、トランクルームを利用する人もいます。注意点は、原則として、引越し代が2回分かかりますので、トランクルーム代と合わせて、セット割引をしているような業者に依頼したほうがよいでしょう。
○ 「配達荷物の保管期間を目いっぱい利用する」
 宅配系の引越し業者の場合、引越し荷物が小さなコンテナ(2立方メートルのボックス程度)であれば、「荷物の保管期間」を利用して、前の物件の退去日から、次の物件への引越し日までの間が、荷物の保管期間内であれば、それをうまく利用し、荷物の保管料金なしで、事実上、荷物を預かってもらい、しかも、引越し代は1回分で済ませられる可能性があります。
○ 「友達の下宿に一時保管してもらう」
 友人・知人の下宿に、一時的に預かってもらうという人もいます。特に、普段から、「うちの下宿は広いだろう」と自慢している人が「ねらい目」でしょうか?
○ 「とりあえず実家に送り返す」
 これは、「友達なんていないし、トランクルームに預けるお金もない」人向きかもしれませんが、実家の負担が大変ですね!
○ 「本来の退去日を無視して次の物件への引越し日まで居座る」
○ 「本来の退去日を無視して次の物件への引越し日まで姿を隠す(携帯電話にも出ない)」
 これらは、過去にトラブルを起こした人のケースですので、真似をしないでください。なお、前者は、図太い神経の持ち主の行動であり、後者はそうではないタイプの人でした。