住まいの探し方の基本ノウハウ
――まず、探し方の基本ノウハウを身につけよう
1.現地事情と家賃相場に関する情報を収集しよう
ここでは、住まいの探し方の基本について、学習していきましょう。
まず、一番はじめにやっておきたいのは、現地事情と家賃相場に関する情報をできる限り集めておくことです。
現地事情には、次のようなさまざまなチェック項目があります。
@ 在校生の住まい事情について
いったい、先輩たちはどのような地域で、どのような種類・設備の建物に、どのような条件で暮らしているのか?ということです。
在校生の住まいの実態というものがまずほしい情報です。
高校時代の先輩などがいるなら、ぜひとも、事前に、先輩たちの生活実態について聞いておきましょう。
それが不可能なら、大学・学校に生協がある場合には、大学生協に聞いてみましょう。あるいは、入試のときなどで配布されるパンフレットなどで調べてみましょう。
A 地域固有のしきたりや慣習に関する情報
それぞれの地域には、賃貸住宅に関して、さまざまなしきたりや慣習(悪習も多いのですが)があります。礼金制度などもその一例です。
例えば、礼金があるのがふつうの地域で、「礼金なし」の物件を探すのは困難ですし、もし見つかったとしても、「わけあり」の可能性があります。
B 住みたいと考えている地域の需要と供給の関係
賃貸住宅の需要と供給の関係を知っておくことも重要です。なぜなら、需要よりも供給量が多ければ、あわてずに探すことが可能になりますし、探す時期によれば、家主の弱気につけこんで、交渉次第では礼金などをまけてもらえるかもしれません。
ただし、地域が違えばまったく状況が異なることもありますので、必ず、自分が住みたい地域の状況を把握するように努めなければなりません。
中には、どの地域が需給関係が崩れているかを調査し、少し学校などから離れても、供給が多すぎる地域で、家主と交渉し、条件のよい物件に安く住む猛者もいます。
C 建物の種類についての需要と供給の関係
賃貸住宅の需要と供給の関係は、さらに自分が住みたいと考えている建物の種類で調査しなければそれほど有効ではありません。
例えば、全体の賃貸状況が供給過剰でも、マンションについては需要過剰の地域では、自分がもしマンションに住みたいなら、全体の状況で判断すると間違った判断になってしまうからです。
D 他の大学・学校の合格発表日との比較
同じ地域に他の大学や学校が存在している場合、それらの大学・学校の合格発表日と自分の大学・学校の合格発表日のどちらが早いかを調べておきましょう。
もし、自分のほうが遅ければ、条件のよい物件は他の大学・学校の新入生に持っていかれることを覚悟しなければなりません。
E 在校生の転居動向
在校生は、新入生のときに契約した住まいに、卒業までずっと暮らしつづけていることが多いのでしょうか?それとも、途中で転居する人が多いのでしょうか?
もし、ずっと同じところで暮らす人が多ければ、転居しにくい事情があるのか、それとも、みんな満足のいく住まいに暮らしているかのどちらかでしょう。
後者なら、安心して住まい探しが可能になります。しかし、途中で転居する人が結構大勢いるなら、転居せざるを得ない事情があるのか、新入生の時には満足した住まい探しができなかったのかのどちらかでしょう。
もし後者であるなら、2年契約の物件よりも、1年契約の物件を契約するほうがよい場合が多いでしょう。
F 現地での生活事情
探す地域には、スーパーやコンビニが多いかどうか?また、食堂やファミレス(ファミリーレストラン)やファーストフードのお店などがたくさんあるかどうか?を調べておきたいものです。
それによって、自炊がしやすいかどうか、自炊をしなければならないかどうかがわかるからです。
また、アルバイトを見つけやすい地域かどうかも、学生生活の上では重要なポイントになります。
G 現地での交通事情
通学に便利な地域と不便な地域はどこなのか?近くに、日常的に道路が混雑していたり、交通事故が多発したりしているような危険なところはないかどうか?もチェックしておきたい事柄です。
アルバイトなどに行くときのことを考えると、通学だけでなく、都市部へのアクセスもよい地域かどうかもチェックしておきたいものです。
H 地域の特徴に関する情報
住まい探しをする地域全体としては都市部なのか、それとも田園地帯なのか?そして、その中で住宅街や繁華街はどこに位置しているのか?などもチェックしておきたい事柄です。
都市部であるなら、周囲の建物の関係で日当たりに問題のあるところも多くなるでしょうし、田園地帯なら、生活利便施設が周囲にあるかどうかがチェック項目となります。
また、繁華街なら夜もうるさいでしょう。一方、住宅街なら、夜道が真っ暗ということも考えられます。
地域の特徴を理解しておくと、チェック項目が的確になってくるのです。
現地事情に続いては、家賃相場についての調査です。
家賃相場を調査する際は、単に家賃水準だけを調べても意味がありません。
調べるには、まず、多くの物件が掲載されているパンフレットを集めたり、インターネットで検索することからスタートします。
自分の希望条件をしっかり見極めた上で、その条件に合う物件をいくつかピックアップしてみます。
そして、それらの物件の家賃、共益費(管理費)、礼金等(慣習として存在している場合)、敷金(保証金)、契約年数(礼金がある場合)などを書き出してみます。
なぜ、契約年数をチェックするかといえば、礼金などは契約年数によって異なるからです。
そして、それらの平均値を求めてみましょう。それが、自分が希望する物件の家賃水準ということになります。
2.住まい探しのスタートはできるだけ早くしよう
住まい探しがうまくいくコツは、できるだけ住まい探しのスタートを早くすることです。
しかし、何の予備知識ももたずにいきなり物件の契約をしてしまうということではありません。住まい探しは、まず、きちんとした知識と情報を得ることから始まるのです。
大学・学校の入学試験の際には、大学生協(生協のある大学のみですが)や不動産業者がパンフレットを配布したりします。どこにどんな情報があるかも知れませんので、とりあえずもらっておきましょう。
3.郵送等による物件の「予約」と「契約」について
さて、帰宅後、それらのパンフレットの中を見ると、「資料請求はがき、電話、ファックス、郵便、そしてE−メールなどで物件情報を提供します」とか「物件の予約や契約ができます」というような案内が入っています。
無料だからといって、片っ端から各業者に資料請求をする人がいますが、これは考えものです。
業者の中には、資料請求をしてきた人の自宅に電話をかけ、「すぐに手付金を振り込まないとよい物件はなくなる」などと言って、言葉巧みに条件のよくない物件に誘導し、手付金を振り込ませたりします。
あとから条件の悪い物件だと気づいても、手付金は一切返金しないし、礼金や敷金なども含めて振り込ませた後では、まったく返金に応じないような悪質な業者もあるのです。
そこで、後に述べるような方法で、安心できそうな業者を選び、そこにのみ資料請求を行うようにします。
「郵送などで物件の予約や契約ができる」という場合は、チェックすべき項目がいくつかあります。
もっとも重要なことは、お金に関する問題です。
「物件の予約」などの場合では、予約をキャンセルしたとき、予約金が返金されることを確認しておかなければなりません。
なぜなら、業者の中には、本来返金すべきお金でも返さないところがあるからです。
次に、「予約の内容と効力」の問題です。予約は部屋番号まで指定できるのかどうか、予約はいつまで有効なのかを知ることです。
というのは、予約金だけで部屋を確保できるのは合格発表の前までであり、予約を生かすためには結局、手付金(いったん支払えば返金されないお金)を収めなければならないという業者もあるからです。これでは、はっきり言ってインチキ予約です。
「予約」という名目で気軽にお金を振り込ませておきながら、実際にその予約を生かすためには、結局、合格発表前に手付金を振り込ませてしまうという手口です。
合格した時はそのまま生かすことができますが、もし不合格だったら、業者は手付金を丸儲けできるわけです。
その次は、「郵送等で契約できる」という場合です。
これは、よほど信頼できるところでないと危険な行為です。
なぜなら、現地を見ていないので、悪質な業者にかかれば、条件の悪い物件を契約させられかねないからです。
そこで、まず、契約してもかまわないと判断できるだけの資料を要求します。
資料図面は間取図だけでなく、平面図と住宅地図(最寄の駅からのアクセスがはっきりわかるものでないと駄目です)は絶対必要です。
また、建物全体の外観についての最新の写真(新築当時の写真では現状と大きく変わっている場合があります)、居室や浴室・キッチンなどの写真も送ってもらいましょう。
その上で、さまざまな条件を確認して問題がなければ、手付金を振り込むのもやむを得ないでしょう。ただし、その際、契約金の残金の支払期限が入居直前まで引き伸ばしてもらえるかどうかを確認してからにしましょう。
そして、あまりに残金支払いの期限が近ければ、その物件の契約をすべきではありません。
なぜなら、残金支払い後に現地を確認したとき、考えていたイメージの物件と異なるなどとしてキャンセルしたときに、敷金以外を返さない場合があるからです。
4.予算と希望条件と優先順位を考えよう
その次は、予算、希望条件、そして優先順位を考えることです。
まず、「予算」です。住まいにどのくらいの費用をかけるかということです。
これを知るためには、生活をする上で、どんなものにいくら位の費用がかかるかを検討してみます。
生活費を大きく区分すると、住居関連費、食費、書籍代、文具・教材等の勉学関連費、教養娯楽費、交際費、電話代等に分かれます。そして、住居関連費には、家賃、共益費(管理費)、電気・ガス・水道費、町内会費等があります。
ふつう、住居関連費は、収入の3分の1程度に押さえることが望ましいと言われています。
住居関連費用のうち、電気・ガス・水道費等で1万円くらいの出費をみておいた方がよいので、例えば、仕送りが10万円、アルバイト代が3万円程度とすると、収入の1/3−1万円=33000円となります。
家賃と共益費を合わせて33000円程度の物件であれば、生活に苦しむということもそれほどないでしょう。
できれば、大学・学校に聞いて、在校生の生活費の内訳について調べておくと非常に参考になります。
どれくらいの仕送りが可能か、アルバイトがどれくらい可能か(一般に理工系の学部生は授業や実験のためにアルバイトがしにくいのです)などを検討の上、予算を考えましょう。
次は、希望条件についてです。自分がどんなところに住みたいのか?希望する条件をとりあえず片っ端から挙げていきましょう。
希望条件を考えるには、設備に関する知識が不可欠です。きちんと学習してから希望条件を考えると、あとで後悔することが少なくなるでしょう。
そして、片っ端から挙げた希望条件について、「これだけは譲れないという最優先の条件」、「その次に優先したい条件」、「できればあったほうがよい条件」に区分します。
この作業が終了すれば、調査した物件の中で、最優先の条件とその次に優先したい条件に合致する物件をピックアップしてみます。
ピックアップしたいくつかの物件の家賃と共益費を足した金額が、予算範囲内であればまったく問題ありませんが、予算をはるかに超えるような場合には、最優先の条件だけに絞ってもう一度チェックしてみます。
それでも、予算オーバーである場合には、予算を見直すか、最優先する条件の見直しが必要になるのです。
このようにして、事前にある程度、予算と希望条件、そして優先順位のすりあわせをおこなっておくのです。
5.どこで探すかが非常に重要なポイント
最後にもっとも重要な判断ポイントが待っています。
「住まいをどこで探すのか?」ということです。「どこでも同じことだ」と考えているとすれば、大きな間違いです。
「住まいをどこで探すのか?」という重要なポイントについては、次項で詳しく述べるつもりですが、ここでは、住まいの探し方の基本として、「トラブルが起こっても自分の味方になってくれそうなところで契約する」ということだけを覚えておいてください。
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