物件資料はこのように理解しよう

――物件資料解読のノウハウ(物件全体に関して)

1.所在地に関する情報

 不動産業者などを訪問したときに、物件に関する資料を見ることになります。業者によって物件資料はまちまちで、必ずしも、必要な情報が掲載されているわけではありません。

 ここでは、資料の見方と内容を解説していきますが、掲載されていない情報については、業者に確認していくことが必要でしょう。

 まずは、物件の所在地に関する情報です。

 一般の不動産紹介においての「所在地に関する情報」は、公共交通機関の最寄駅からの徒歩での所要時間のみの掲載がふつうです。

 学生が住まい探しを行う場合には、通学時間も必要なのです。

 にもかかわらず、両方がきちんと書かれているケースはそれほど多くないのが実態です。特に、通学時間の記載はないことが多いのです。

 徒歩での所要時間は、法律で、道路距離を80メートル=1分として計算し、1分単位に切り上げることとしています。

 ただし、坂道や信号待ち時間などは考慮しなくてもよいということになっていますので、たとえ、法律上、正確な表示をしていても、実際には、多少所要時間が長くなりがちです。

 通学時間が記載されている場合は、何による所要時間かを確認する必要があります。

 同じ通学時間でも、徒歩なのか、自転車なのか、バスなのかなどによって、意味が大きく変わってくるからです。自転車での通学時間については、道路距離を併記することとされていますが、そこまできちんと併記されていることは、実際にはめったにありません。

 物件所在地は、「大学や学校に近ければ近いほどよい」とは言い切れません。むしろ、ある程度の距離があったほうがよいという人の方が多いのです。というのは、あまりに近すぎると、友達などのたまり場になってしまう可能性が高いからです。

2.入居者の性別

 一般の不動産の場合には、入居者の性別が問題になることはほとんどありません。

 ところが、学生の住まいの場合には、男子専用物件、女子専用物件、男女物件の3種類の住まいがあるのです。

 男子や女子の専用物件の場合には、入居者の性別が限定されるだけでなく、なかには、異性の立ち入りそのものも禁止されているところがあります。

 安全性を考えて、「女子専用」を選ばれる場合がありますが、女子専用だからといって、安全性を保証するような設備が整っているとは限りません。それに、女子専用だとわかると、その筋の人たちにかえって狙われやすいという話もあります。

 男女物件では、男女が混合で住んでいるわけですが、階ごとに区別していたり、女子は上階、男子は下階に指定していることもあります。

3.学生専用か一般物件か?

 一般社会人の場合は無関係ですが、学生用の住まいには、学生専用物件と一般社会人も入居している一般物件の2種類があります。

 学生専用物件は、文字通り、学生のみが入居可能な物件です。

 しかし、入居していた学生が卒業したからといって追い出すことはやりにくく、学生だけでは満室にならない場合に一般社会人も入れる場合もあり、すべてが完全に学生のみといえないこともあります。

 一般物件の場合には、生活習慣の違う社会人と学生が同じところに住むため、騒音をめぐってトラブルが発生することがあるので、学生専用物件よりも注意が必要です。

 大学の周辺には、学生専用物件が多いのですが、少し離れると、一般物件がほとんどということになります。一般的には、学生専用物件から部屋が決まっていく傾向があります。

4.物件の種別、構造(建築工法)

 物件の種別は、一般的には、マンション、ハイツ、アパート、コーポ、学生会館、貸間・貸家などですが、地域や業者によって、呼び方が違っていたり、定義が若干異なっていたりしますので、種別は参考程度に考えていたほうがよいでしょう。

 物件の構造(建築工法)は、主な区分として、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(SS造)、木造(W造)があります。それぞれの構造の特徴については、学習資料編で確認してください。

5.部屋数は全部で何室か?

 学生が住む物件には、部屋数の適正規模というものがあるのでしょうか?勉強不足でよくわかりません。しかし、次のような一般的傾向があるように思います。

 まず、家主が直接管理する物件の規模は比較的小さく、規模が大きくなると管理会社の管理が多くなることです。

 家主の直接管理と管理会社の管理のどちらがよいかは、一概には言えませんが、夜中にカギを失ったりしたときなどは、家主が直接管理している場合のほうが対応は早いでしょう。

 次に、家主が管理していない小規模物件の場合には、管理面が行き届かないことがあるようです。仮に管理会社に依頼していても、たまに巡回見回りをするくらいが多いので、管理が不十分になる傾向があります。

 チェックすべきポイントとしては、部屋数(=入居者数)と設備条件の関係です。

 例えば、エレベーターがある場合には、1基当たりの部屋数は50室以下が望ましいし、洗濯機が各室に置けない物件の場合は、コインランドリーは1台当たりの部屋数は10室以下が望ましいのです。また、駐輪場、ゴミ置き場のスペースなどが、部屋数に見合っているかどうかなども要チェックです。

6.完成年と改築年

 建物がいつ建築されたのかは、住まい探しをする人にとって、大きなポイントとなるでしょう。当然、築年数が浅い物件のほうが好まれる傾向があります。

 要チェックのポイントとしては、第一に、建築年の古い物件の場合に、建築年(完成年)の記載がないことや、改築されている場合には改築年だけを記載していることがあることです。

 さらに言えば、建物の一部を単に「改装」しただけなのに、「改築」という表示をしていることもあるのです。「改装」は、室内改装のように、建物の構造に一切関係なく、単に表面上の処理に過ぎないのに対し、「改築」は、構造に悪影響を与える亀裂の修復など、建物の構造に関するものです。

 第二のチェックポイントとしては、1975年(昭和50年)以前の中高層物件は、管理がきちんとされているかどうかを確認しておく必要があるということです。つまり、その年代以前の中高層物件は、地下に受水槽が置かれており、水が汚染される事故が全国で多発していたからです。

7.契約年数

 一般の物件の契約年数は、「2年間」が多いのですが、学生専用の住まいの場合には「1年間」の方が「2年間」よりも多いようです。

 礼金等がある地域では、2年契約の礼金は、1年契約の礼金と更新料を足したものよりも割安になっているケースが多くなっています。そのことで、2年契約に誘導しようとしているのです。

 単純に考えれば、「2年契約の方が条件がよい」ということになりますが、若干、注意が必要です。

 注意すべきポイントは2つあります。

 一つは、住まい探しの時期が、他の新入生よりも比較的遅くなる場合には、既に条件のよい物件が残っている可能性が少ないため、1年契約にした方がよいということです。

 2年契約で条件のよくないところで我慢するよりも、とりあえず1年契約にしておき、入居後、ゆっくりと時間をかけて、もっと条件のよいところがないかどうか探すのです。

 条件のよい物件が見つかれば、転居することも検討できるからです。最初から2年契約にしてしまうと、条件のよい物件が見つかって1年後に転居した場合、2年契約の礼金と1年契約の礼金の差額分だけ損をすることになってしまうのです。

 もう一つは、住まい探しをした業者が安心できるという確信がなければ、やはり1年契約にしておいた方がよいかもしれないということです。

 しかし、実際に、条件のよくない物件に住んでいる人であっても、1年契約だからといって、1年後に、その過半数が転居してしまうということはないのです。

 転居するのはほんの一部なのです。

 その理由は、実際に転居しようとすると、次の物件に入るための礼金と今まで住んでいた物件の更新料との差額、次の物件の敷金、不動産業者に支払う手数料、そして引越料などでざっと20万円以上が余分にかかってしまうからです。

 今まで住んでいたところの敷金を次の物件の敷金に充当したいと思う人が多いのですが、敷金の返還は退去後1〜2ヵ月後という場合が多く、その上、半額くらいを没収されてしまうケースが多いのです。

 「条件が悪ければ1年契約にすればよい」と言いましたが、1年後の転居は、実際問題として、かなりの出費を覚悟せざるを得ないのです。

 それだけに、最初の住まい探しが重要だということです。

 信頼できるところで紹介を受けないと、とんでもない物件に契約させられた挙句、途中で転居するにも大きな費用負担となり、あとあとまでずっと苦しむことになるのです。

8.間取図・広さ

 間取図は、室内の設備の配置や広さなどを表した図面で、不動産広告には欠かせない図面ですので、皆さんも見たことがあるでしょう。

 間取図の見方として、まず、知っておきたいのが、間取図は標準タイプのものであり、すべての部屋が同一ではないということです。

 ほとんど標準タイプの部屋が多い物件もありますが、中には、数種類のタイプの間取から成立している物件もあります。

 従って、パンフレットやインターネット、そして物件資料に載っている間取図だけを見て、探している部屋の間取であると早合点してはいけません。必ず、確認の必要があります。

 標準タイプでも、間仕切壁をはさんでバスルームが対になっていることが多く、この場合、間取図が反転しています。

 次に、「広さ」の表示方法についてです。「広さ」に関する表示の仕方には、「壁芯(芯芯)寸法」によるものと「内法寸法」によるものの2通りがあります。

 「壁芯(芯芯)寸法」というのは、境界壁の中心線とその反対側の境界壁の中心線に囲まれた部分の面積で、一般的な表示に使用されています。

 「内法寸法」というのは、壁の内側部分の面積で、不動産の登記簿に記載される面積です。ふつう、内法寸法は、壁芯(芯芯)寸法よりも7〜8%程度狭くなります。

 学生の住まいの場合も、ふつう、壁芯(芯芯)寸法により、「○○平方メートル」などと表示されるのですが、キッチンやバスルームなど、バルコニーを除くすべての部分を含んでいるので、今ひとつイメージできません。

 一応の参考までに書いておきますと、ワンルームの場合、17〜19uなら居室は6〜7帖ほど、20〜22uなら同じく8〜9帖、23〜25uなら同じく10〜11帖ほどの広さに該当するでしょう。

 「○帖」という場合の基準となる畳の大きさについても知っておきましょう。畳の大きさは、京間(関西間)の191cm×95.5cm(1帖当たり1.82u)がもっとも大きく、続いて、中京間(名古屋間)の182cm×91cm(1帖当たり1.66u)、江戸間(関東間)の176cm×88cm(1帖当たり1.55u)、そして団地サイズが主に2種類あり、170cm×85cm(1帖当たり1.45u)と160cm×80cm(1帖当たり1.28u)などとなっています。

 畳のサイズの違いにより、どれくらいの違いになってくるかといえば、例えば、団地サイズで8帖という場合、京間では5.6〜6.4帖、中京間では6.2〜7帖、江戸間なら6.6〜7.5帖の広さに該当します。

 ところで、不動産広告の基準としては、「1帖=1.62〜1.65u」という基準が採用されているのです。これは中京間よりも少し小さく、江戸間より少し大きいという不思議なサイズです。

 しかし、実際には、このような不動産広告の基準通りに表示しているとは限りません。団地サイズで表示している場合もあるのです。その上、家主や業者によれば、居室部分だけでなく、ワンルーム全体の広さを「○帖」などとしていることもあるのです。

 従って、広さについては、その算定基準とどの部分の広さかを確認しないと、実際に入居してはじめて、「こんなに狭いとは思わなかった」ということになってしまうのです。

9.各費用について

 「家賃」は、部屋を借りるために、家主に支払う費用で、もっとも基本となるお金です。

 家主が企業であっても、家賃には消費税は一切かかりません。にもかかわらず、消費税を加算している家主もいますので注意しましょう。

 不動産を契約したときに支払う仲介手数料は、ふつう、家賃を基準にしています。(一部に家賃だけでなく、礼金等を年間賃料として、その1/12を家賃に加え、「賃料の1か月分」としている場合もあります)

 家主が不動産業者に支払う「広告費」も同じ基準であることから、家主がその経費を抑える為に、家賃を比較的安くし、その代わり礼金や共益費を高めに設定していることもあります。

 従って、費用の比較をするには、年間の主要経費<=(家賃+共益費等)×12+礼金等+敷金>を試算してみる必要があります。

 「共益費(管理費)」は、本来、共用部分の電気や水道、清掃、管理諸費用の実費を入居者数で按分した費用ですが、実際には、実費以上に高額な共益費を設定している場合もあり、そのような場合には、家賃に準じたものとして考えた方がよいでしょう。

 「礼金」は、東京や京都など、慣習的に徴収している地域があります。住宅金融公庫の融資を受けるためには、礼金等の収受が禁じられているため、名目を代えて、実質的な礼金を収受しているケースもあります。

 礼金の性格としては、一説によると、戦後の住宅難の時代、部屋を提供してくれたお礼に、店子が家主に支払ったお金の名残と言われていますが、物件の供給が過剰気味になった現代でも、依然として、礼金を収受している場合が多いのです。

 礼金は、法律上の根拠のないお金ですが、判例などでは、家賃の前払いという解釈がされているようです。

 礼金がある地域において、時おり、「礼金なし!」を売り物にした物件広告が出ていることがありますが、なぜ、「礼金なし!」にしているのか、その理由を探ってみるほうがよいでしょう。

 「礼金なし!」の理由には、主に、次の8つの場合が考えられます。

 まず、第一は、残念ながら滅多にないのですが、物件自体が優良であるにもかかわらず、家主が良心的に「礼金なし」にしている物件です。

 第二は、「礼金・更新料を取らない」という条件の住宅金融公庫を利用したために、「礼金なし」としている物件です。

 第三は、礼金という名称を使わないかわりに、最初から、他の名称を使っているだけの物件。設備協力金、入館料、年間管理費などさまざまな名称があります。

 第四は、第三の場合とは違い、「礼金なし」を大きく謳いながら、いざ契約しようという段になってはじめて、他の名目で徴収することを明らかにする悪質な業者があります。もう、他の業者には逃げられないという段階(時刻)になってはじめて、費用の明細を明らかにするのです。詐欺まがいです。マンスリーマンションなどでも、同じような宣伝を行っているところもあるようです。

 第五は、「礼金なし」という物件は実際にほとんど存在していないにもかかわらず、客寄せのおとり広告として出している場合。「お店の中に引き込んだらしめたもの」と考える業者の中には、客寄せのためなら、平気で詐欺まがいの広告を出しています。

 第六は、物件自体の競争力がなくなってきたために、仕方なく「礼金なし」に変更した物件。以前は、礼金を取っていましたが、設備や条件面で、礼金を取っていたら空室が埋まらなくなった物件です。

 第七は、「礼金なし」と同時に、「斡旋手数料もなし」などとしておきながら、入居時に、「退去費用」などというような名目で10〜15万円もの費用を請求している物件があることです。「礼金なし・斡旋手数料なし」で釣ってお客を集めようというのですが、費用のうち、家賃1か月分以上が業者に渡っていれば、業法違反になるでしょう。

 そして第八に、他の部屋は「礼金あり」ですが、一部が売れ残りのため「1年間空室にしておくよりは」ということで、特定の部屋のみ「礼金なし」にした物件です。このような物件の場合には、「礼金なし」はその時だけの例外扱いなので、契約更新時に、更新料は通常の金額が課せられることが多いのです。安いと思っても、後から高くつくこともあるので、更新料の有無についての確認が欠かせません。

 「敷金(保証金)」は、法律上の解釈としては、契約終了後、借主がすべての義務(家賃や共益費、公共料金等の未払いの費用、原状回復の費用等の支払い)が確実に終わるまで、預かっているお金で、人質のようなものです。

 「敷金」は、借主の未払いや故意・過失等による部屋の破損・汚損がなければ、そのまま返却されるのが筋ですが、返却される実際の金額は、マンションで半額以下、アパートで半額程度、貸間でほぼ全額というケースが多いようです。

 「保証金」は、敷金と似たものですが、退去時に「敷引き」あるいは「償却」と称して、一定割合の金額を無条件に引かれた残りが返却されることが多いのです。保証金は、大阪・神戸・京都など一部の地域で使われているものですが、通常、敷金方式をとっている地域でも、事務所などの契約については保証金方式がふつうです。

 「更新料」は、礼金などを徴収している物件で契約を更新する場合に、家主が借主から徴収している慣習上のお金で礼金の一種です。

 ふつう、礼金と同額以下で、地域により、家賃の1ヶ月〜2ヶ月程度の相場があります。更新料については、法律上の規定はありませんが、家主との間で合意して契約している場合は、支払う義務があります。

 しかし、契約更新時に、家主との間で更新に関する合意ができなかったとしても、「法定更新」として住み続けることができ、この場合には、結果的に、更新料の支払いが不要となります。


 更新料については、慣習上仕方がないとしても、管理会社が介在している場合に徴収されることのある「更新手数料」については、問題があるといえます。これほど社会常識はずれの悪習があること自体おかしなことです。

 契約の更新手続きというものは、本来、家主と借主との間で行われるのですが、家主が自分で行うのが面倒なために、管理会社などにその面倒な作業を依頼し、依頼を受けた管理会社が、家主の代わりに借主との間で更新手続きを行っているのです。

 従って、社会常識としては、依頼人(家主)が代理人(管理会社)に手数料を支払うのがふつうです。

 にもかかわらず、賃貸契約に関しては、依頼してもいない人(借主)が依頼されてもいない人(管理会社)に、家主の代わりに手数料を支払っているのです。

 こんな変な慣習はぜったいになくすべきでしょう。

 しかし、実態としては、まだまだ借主の力が弱く、国も「おかしい」と規制するわけでもないので、結果として、家主の代理人としての管理会社が、自社と家主の利益のために、借主から費用を請求しているのです。

 更新手数料の問題は、業者団体内でも問題視されてはいます。

 しかし、一部の業者が、今まで借主から得ていた手数料を、今度は家主から徴収するといえば、家主は、家主からは徴収しないという他の管理会社に管理委託をすることになるだけです。

 従って、仮に良心的な業者があったとしても、借主の立場にたてばたつほど、家主との管理委託契約が減り、自分で自分の首を締めることになってしまうのです。

 そういう意味では、業者だけが悪いということではないのです。やはり、国が国民の権利を守るべきところをきっちりと守るという姿勢と行政指導が必要だと思います。

 「設備費」や「設備維持費」などは、共益費などとは異なり、共同部分の経費負担ではなく、各個室の設備の設置・維持費用を入居者に負担してもらおうという意味で請求されているもので、一部の物件に採用されています。支払う側から言えば、家賃や共益費の一種と考えてもいいでしょう。

 「保険料」は、通常、借家人賠償責任保険や火災保険のことです。
 火事や漏水などの事故などがあった場合に、家主への賠償責任をカバーするために加入するものです。

 物件や管理会社によっては、加入が義務づけられていることもあります。

しかし、パンフレットなどには、そういうことはあまり書かれていないことが多いのが実情ですので、契約の前に確認が必要です。

費用としては、年間5千円〜1万5千円ほどの広がりがありますが、内容的にはさまざまで、家主の賠償責任だけでなく、自分の家財への補償が入っているものと入っていないものがあります。

 火災保険に関しては、もし、加入が義務づけられておらず、大学に生協がある場合には、「学生総合共済」の「火災共済」への加入がお勧めです。

なぜなら、費用が4年間で8千円弱という安さなのに、家主への賠償責任が1千万円まで、自分の家財も150万円まで補償されるからです。なお、火災保険は複数加入していても、別々に補償されません(合計して満額補償となります)ので、注意が必要です。

 また、一部の物件(部屋数が多い場合がほとんどです)には、「ゴミ処理費」などと称する費用を徴収しています。この場合、その多くは、業者による毎日回収が行われています。

 通常、自治体によるゴミ回収は、週に2回程度が多く、分別回収についてはさまざまなシステムがとられています。

 ゴミ回収の基本は、「指定された曜日の指定された時間帯(朝が多い)に、指定された場所に指定された方式でゴミを出す」ことです。

 ところが、学生の生活習慣からすれば、これらの4つの指定を守るのがたいへんです。

 特に、朝寝坊の多い学生にとっては、「回収当日の朝にゴミを出す」ことが守れず、仕方なく、指定日以外に出したりしています。

 そうすると、ネコやカラスにゴミを荒らされてしまい、しかも、誰も後片付けをしないこともあります。ゴミの散乱を見るに見かねて、近隣の人が掃除をしている場合もあるのです。

 そこで、近隣から苦情を受けた管理会社などが、そうした問題に対処するため、業者に依頼し、毎日ゴミを回収するようにし、その費用の一部を入居者に求めていることがあるのです。費用としてはふつう月額500〜1500円程度ということが多いようです。

 入居者にとっても、朝早く出さなくてもよいし、梅雨時や夏など、臭くなりがちな生ゴミを室内に保管しておかなくてもよいので、多少の出費で済むならと、実際には喜ばれているようです。

10.浴室の種類

 浴室の種類としては、「セパレートタイプ(SB)」、「(3点)ユニットタイプ(UB)」、「共同風呂」、「共同シャワー」、「風呂なし」の5種類があります。

 「セパレートタイプ」というのは、もっとも人気のタイプで、その多くは、浴室とトイレが独立して設置されており、浴室には洗面台が併設されているタイプです。浴槽の外で身体を洗う日本式の浴室です。

 最近、人気が高いのは、浴室、洗面所、トイレがそれぞれ独立した、「完全セパレートタイプ」のものです。

 「(3点)ユニットタイプ」は、ホテルの浴室と同様に、浴室内に、浴槽・洗面台・トイレの3つがあるものです。1993〜4年頃までの物件は、ほとんどがこのタイプです。浴槽の中で身体を洗う西洋式の浴室です。

 セパレートタイプとユニットタイプを比べると、一般的な使い勝手の面では、セパレートの人気が高くなっています。

 しかし、一般的なセパレートでは、浴槽の外で身体を洗うことから、翌朝などに洗面台に行くときに浴室の床が濡れていることが多く、その点を嫌ってユニットタイプを選ぶ人もいます。

 また、シャワーなどでトイレの掃除がしやすいという点でユニットタイプを選ぶ人もおり、誰もがセパレートタイプを希望するわけではありません。セパレートタイプとユニットタイプのシェアを比べると、セパレートタイプの物件が増えてきており、セパレートタイプの物件が過半数という地域も出てきています。

 設計図面などに、バスルームのところに「1612(いちろくいちに)」とか、「1512(いちごいちに)」などという4桁の数字があれば、これは、浴室のサイズを表しています。

 例えば、「1511」タイプの場合には、幅が150センチ、奥行が110センチを表しています。

 学生アパートの中には、各室に浴室がない代わりに、「共同風呂」が設置されていることがあります。

 この場合に確認しておきたいことは、共同風呂が利用できる条件(毎日入浴できるのか、利用時間帯はどうなっているのか、利用料金はいくらか、利用料金は利用した分だけ支払うのか、それとも月額で決まっているのかなど)です。物件によれば、入浴してもしなくても、風呂代として月額1万円近くを徴収しているものがあります。

 そうすると、費用的には、個室にユニットタイプの浴室のある物件と変わらなくなってしまうこともあるのです。

 共同風呂がなく、共同で利用するシャワーが設置されている物件もあります。この場合にはコインシャワーが多いようです。

 風呂が設置されていない場合には、近隣にある銭湯を利用することになりますが、家主からの情報では、「銭湯まで3分」などと書いていても、実際には5分以上かかるというような場合も少なくありません。そこで、銭湯利用の場合には、銭湯の利用料金と、物件と銭湯の位置関係を住宅地図などでチェックしておく必要があります。

11.キッチンに関する情報

 学生の住まい、特に学生マンションには「ミニキッチン」が設置されていることが多くなっています。

 このミニキッチンは、冷蔵庫や電子レンジの設置スペースも含み、コンパクトに設計されたキッチンで、電気コンロが設置されていることが多いのです。

 問題は、キッチンそのものの幅が90センチほどで、内側寸法は86センチほどしかないことです。要するに、電気コンロとシンクのスペースだけで、まな板を置くスペースがほとんどないのです。

 従って、うたい文句と違って、しっかりと自炊をしようと考えている人には不向きです。まな板を置くためには、最低でも120センチ幅のキッチンがほしいものです。

 また、コンロの種類には、大きく分けると「ガスコンロ」、「電気コンロ」、「電磁コンロ」の3種類があります。

 「ガスコンロ」は、いまさら説明するまでもないほどですが、都市ガスとプロパンガスの違いを確認しておかなければなりません。

 また、都市ガスの場合には、ガスの規格が地域によって異なっていますので、ガスの規格も確認しておかないと、実家付近で購入したガスコンロが、下宿先では使えないということも多いのです。

 「電気コンロ」は、現在、さまざまなタイプが販売・導入されています。ごく簡単にポイントをまとめてみましょう。

シーズ式ヒーター
 もっとも古いタイプです。渦巻状になった発熱線を絶縁材で固めており、感電の恐れのないヒーターです。耐蝕性・耐熱性に優れていますが、調理後の掃除がやっかいです。温度調整のできないタイプ(要するに「ON」と「OFF」のスイッチしかないタイプ)は電気湯沸しポット以上の能力を求めるのは無理です。

ホットプレート式ヒーター
 いわゆるホットプレートです。鋳鉄製の円盤が埋め込まれた形。円盤の縁はステンレスで覆われており、発熱しても色は変わりません。調理後の掃除は比較的楽です。

セラミックヒーター
 鉄板ではなく、セラミック等の高耐久パネルの下にニクロム線などを組み込んでいるもの。すぐに高温になる利便性があり、温度コントロールも細かくできます。

ラジエントヒーター
 埋め込まれたヒーターで液晶化ガラスでできたトッププレートを通して鍋を加熱させるタイプ。これもすばやく加熱します。トッププレートが加熱で色が変わり、温度の高低で色が変化するため、従来の電気式ヒーターのウイークポイントだった、「(火加減)温度調節が難しい」という問題をクリアーしています。

 電気コンロと似て非なるものに「電磁コンロ」があり、一部の物件に採用されています。いわゆるIHクッキングヒーターなども電磁コンロの一種です。

 IHクッキングヒーターの「IH」は、Induction Heatingの略で、電磁誘導加熱という意味で、トッププレートの下のコイルに電気が流れると磁力線が発生し、これが金属製の鍋を通る時に過電流に変わり、鍋の電気抵抗によって発熱する仕組みですが、「安全」を謳う宣伝とは裏腹に、3つの意味での危険性があるといえます。

 一つは、「ガスと違って取り扱いが簡単で安全」というあまり、「危険性を理解したうえで使用法をきちんと守って使用する」という意識がわかないことによる事故発生のリスクの拡大です。その点、ガス器具の場合は、誰もが危険性を認識した上で使うため、リスクは最小限にとどまります。

 二つ目は、電磁波漏洩による健康被害へのリスクです。電磁波漏洩問題の研究者からは、「電子レンジの前扉を開けた状態で使用するのと同じで危険性が高い」というような指摘があります。

 三つ目は、「取り扱いが簡単」とはいうものの、使用するなべや水分量などの細かなルールを守らないと、設定温度よりもはるかに高い高熱が発生して火災事故が発生しているという問題です。(詳細は、生活情報ネット「消費者への警鐘」http://www.jc-press.com/bkmerumaga/bkmg0015.htm)などを参照してください。

 いずれにしても、このように、コンロ類の種類はいろいろありますが、学生の住まいのほとんどは、「1口コンロ」です。ほんの一部に「2口コンロ」がある程度です。

 電気コンロや電磁コンロの場合は、そのほとんどが備えつけられていますが、ガスコンロの場合には、「ガスコンロが最初から設置されている」場合、「ガスコンロを持ち込む」場合、そして、「ガスコンロの持込が原則だが、前の入居者が残していったコンロがある」場合の3通りがあります。必ず、家主や管理会社に確認しておかなければなりません。

 ミニキッチンが流行した頃、キッチンキャビネットの中に、ミニ冷蔵庫が設置されていることがよくありました。うたい文句は、「冷蔵庫まで付いているので非常に便利」というようなものでしたが、実際には、「非常に不便」でした。現在のミニキッチンには、ミニ冷蔵庫はまずついていません。

 ミニ冷蔵庫が、非常に不便だという理由は、ミニ冷蔵庫のほとんどには、冷蔵スペースはあっても冷凍庫が付いていなかったことです。

 ところが、学生の生活には、冷凍庫が欠かせない(冷凍食品をよく利用しますし、アイスクリームなども保存しておくからです)ため、もう1台、別の冷凍冷蔵庫を購入せざるを得ないのです。そうすると、キャビネットの中にあるミニ冷蔵庫は、無用の長物と早変わりしてしまい、ただでさえ少ないスペースをつぶしてしまうのです。

12.洗濯機に関する情報

 洗濯機に関しては、主に、次の6種類があります。

 第一は、「システムランドリー」というものです。

 これは、洗濯機と乾燥機がセットになって、物件の設備として備えつけられているものです。

 ほんの一部の物件にしかありませんが、設備としてはもっとも高級といえるでしょう。ただし、一部の物件では、日当たりが悪すぎたり、もの干し場がなかったり、あるいは、ハトの糞公害のためなどで、洗濯物が干せないために、しかたなくシステムランドリーにしていることもありますので要注意です。

 第二は、「室内設置可」(「室内置場あり」)です。

 洗濯機は設置されていませんが、洗濯機の置場スペース(防水パンがあります)が室内に確保されているというものです。システムランドリーを除くと、もっとも人気のあるタイプです。

 第三は、「室外設置可」(「ベランダ等設置可」、「室外置場あり」など)です。

 洗濯機の置場が、ベランダなど、部屋の外に確保されているというものです。「室内設置可」に比べると、人気が落ちます。その理由は、室外だと、洗濯時間によっては騒音の苦情がくることがある、洗濯機が風雨で汚れがちになる、洗濯物が盗まれる場合があるなどが挙げられています。

 第四は、「コインランドリー」です。100〜200円のお金を入れて利用する共同設備です。

 第五は、「共同洗濯機」です。

 コインランドリーと似ていますが、通常は、共同で利用できるように、家主が無料で設置した洗濯機のこととして区別しています。

 最後に第六として、「洗濯設備なし」があります。この場合には、近隣のコインランドリーを利用するしか方法はありません。貸間などに多いタイプです。

13.電話設備に関する情報

 電話設備に関するものには、主に、次の7種類のものがあります。

 まず、もっとも多いのが、「引込可」というものです。電話加入権を準備し、NTTによる工事を経て、電話が通じるようになる物件です。

 第二は、「専用(電話)」です。

 これは、各室専用の回線と電話機が最初からセットされているもので、電話機が建物の玄関のオートロックと連動しているものもあります。電話加入権を用意する必要はありませんが、電話の基本料や通話料以外に、電話機の使用料金が必要なこともあります。

 問題点としては、インターネットに接続できなかったり、NTTの各種サービスに加入できなかったり、新電電会社の契約が結べなかったりすることです。

 また、オートロックと連動しているような場合には、電話機を自分の好みのものに変更できないこともあります。さらに、電話番号が部屋番号順になっているような物件では、部屋番号が知られれば、いたずら電話がかかってきたりすることや前の入居者あての電話がかかってくることもあります。

 第三は、「専用回線」です。

 「専用(電話)」と似ていますが、電話機自体は自分の好きなものを選べるタイプのものです。ただし、オートロックと連動している物件では、電話機をすぐにつけないと、引越しのトラックなどが来ても、連絡できないというケースもあります。やはり、電話の基本料・通話料以外に、専用回線の使用料が必要な場合があります。

 第四は、「リース」です。

 これも、「専用(電話)」、「専用回線」と似ており、家主や不動産業者によっては、区別しないで呼んでいることもありますので注意が必要です。

 電話リースというのは、電話回線や電話機の設備をリース契約で借りるというものです。従って、電話の基本料・通話料以外に、電話リース料金がかかってきます。

 「専用(電話)」、「専用回線」、「リース」のいずれも、利用しようがしまいが、料金が請求されるというのが一般的です。

 第五は、「専用カード式」などというものです。

 これは、専用のプリペードカード(テレフォンカードとは異なります)を事前に購入すると、各室の電話が支払った分だけ使えるというものです。滅多にない方式です。

 第六は、「呼び出し」です。

 貸間や学生寮などで一部に残っているもので、各室に電話回線を引くことが禁止されており、かかってきた電話を取り次いでくれるものです。原則として、受信専用ですので、実際には、携帯電話の利用が多く、ほとんど利用されることはありません。

 第七は、「公衆電話」です。説明は不要でしょう。
  
14.インターネットに関する情報

 インターネットが普及するにつれ、賃貸物件でもインターネットに関連する設備を導入するところが増えてきました。

 インターネットに関する設備の状況としては、さまざまなタイプがありますが、ごく大雑把に分類すると、次のようになります。

 もっとも利便性が高いのが、「入居日からブロードバンドが即日使用可能かつ無料」というタイプです。

 これは、あらかじめ、各部屋にLAN回線を設置しておき、入居後、電気コンセントと同じような利便性で、LANに接続すれば、すぐにブロードバンドが使えるというものです。しかも、工事費用や月額の使用料は家主さんが、家賃に含めており(つまり、入居者にとってはタダ!)、別途費用がかからないという仕組みです。

 二つ目は、「入居日からブロードバンドが即日使用可能」という点は一つ目と同じですが、月額使用料が別途かかるという点が異なるケースです。

 これも、利便性は高いのですが、月額使用料がどの程度なのか(個人で設置する場合に比較して半額以下が目安でしょう)によって、よいかどうかの評価が分かれてくるでしょう。

 三つ目は、「入居後、別途申し込めば、ブロードバンドが利用できる」タイプです。

 このタイプは有料ですが、入居後、どの程度のタイムラグで利用できるようになるのか、月額使用料がどれくらいになるのか、退去時の手続きの費用はどうなのかなどを確認しておいたほうがよいでしょう。

 これら3つのタイプに共通するデメリットとしては、回線そのものは共有であるため、その分回線スピードは遅くなることと、場合によれば、ファイル交換など、容量の大きなデータのやり取りには制限を設けているケースもあるということです。

 四つ目は、「入居者が自由に申し込んでください」というタイプです。電話回線の「引込可能」と同じようなタイプです。

 このようなタイプは、すべて個人で申し込むため、工事費用や月額使用料は高くなりますが、回線そのものは独占して使用できるというメリットもあるため、ファイル交換などをよく行う人には適しているでしょう。

 そして、五つ目のタイプとしては、「インターネット接続不可能」というタイプの物件です。何らかの事情で、インターネットに接続できない環境になっている物件も存在しているのです

15.冷暖房に関する情報

 冷暖房に関する設備の種類には、「冷暖房(エアコン)」、「冷房(クーラー)」、「暖房」、「(冷暖房)設置可能」、「(冷暖房)なし」などがあります。

 冷暖房(エアコン)は、マンションのほとんどに設置されるようになってきています。築年数の古い物件には、冷房(クーラー)やウインドファンが設置されていることがあります。暖房(のみ)というのは、滅多にありません。

 注意が必要なのは、エアコン等が設置されていない場合です。

 このような場合、エアコンを設置することが可能なところと、設置の許可をしてもらえないところがあることです。

 なお、冬季には、通常、石油ストーブ等の持込ができません。

 その主な理由は、家主が火災を心配するからですが、ワンルームマンションなどの場合には、仮に石油ストーブ等の持込が可能であっても、使用するのは危険です。

 なぜなら、ワンルームマンションで石油ストーブなどのように、室内空気を汚染する暖房装置を使用すると、1時間に数回もの換気を行わないと一酸化炭素中毒になってしまう恐れがあるからです。夜に石油ストーブなどをつけっぱなしにしたままで寝てしまったら、二度と目がさめなくなってしまう可能性が大なのです。気をつけましょう。

16.門限の有無と時刻

 最近の物件には、ほとんど門限がありません。一部の女子専用物件や家主と同居する貸間タイプの物件に残っています。もし、門限等があれば、その時刻を確認しておく必要があるでしょう。

17.電気・ガス・水道に関する情報

 電気・ガス・水道などの設備には、その費用の請求の仕方が、「メーター制」、「小メーター制」、「定額制」、「共益費に含む」などの種類があります。

 一般的に言えば、できるだけ「メーター制」(個別の直接メーター)になっているところのほうがよいと言えるでしょう。なぜなら、実際に使った分だけを請求されるからです。

 「小メーター制」というのは、「メーター制」とは似て非なるものです。

 つまり、家主のところに親メーターが備えつけられており、公共料金の精算は、家主が行っています。そして、各室にある小メーターの検針は家主の責任で行っているわけですが、公共料金の支払い基準がそのまま設定されているとは限りません。

 というよりも、わざわざ小メーターにして、家主サイドで検針するという手間をかけているので、一部の物件では料金のピンはねをしているところもあるようです。

 「定額制」というのは、水道料金などに多いものですが、メーター制よりも、やや高めの金額が設定されていることもあります。

 「共益費に含む」というのは、その名の通り、共益費や管理費などに、その料金が含まれているということであり、別途請求されるということはありません。

 水道については、ところによれば、井戸水(私営水道)の場合もあります。このような場合、きちんと管理されているか、近くに汚水源となるような半導体や化学薬品などの工場などがないかどうかを確認し、その物件を契約する場合には、念のために、できれば、家主や管理会社から定期検査での水質検査結果報告書のコピーを見せてもらうほうがよいかも知れません。そうした資料を見せてもらえないところは、定期的な水質検査と定期清掃を行っていない可能性があります。

18.建物の玄関がオートロックかどうか

 建物の玄関がオートロックドアになっている物件があり、女性に一定の人気があります。家主や管理会社も、防犯上有効なものとして、安全性をうたい文句にしています。

 しかし、オートロックドアの安全性は完璧とは言いがたい面があります。例えば、いくらオートロックドアであっても、入居者の後に続いて入ってくれば、誰でも入ることが可能です。

 一部に、入居者以外の出入りを監視している管理人がいる物件もありますが、ずっと監視を続けるのは至難の業でしょう。また、表の入り口はオートロックでも、駐輪場などがある裏口は、オートロックがない物件や、入居者が邪魔くさがって、オートロックが解除されていることもあります。

 その上、停電したときに補助電源でドアが開くか、自動的に手動ドアに切り替えられるようになっているかという問題もあるのです。非常時にも対応できるシステムでないと、地震・火災などで停電したとき、玄関ドアが開かないと、「安全」どころか、悲惨なことにもなりかねないのです。

 オートロックドアを過信したために、油断が生じ、毎年、4・5月頃には、大勢の新入生が、巧妙で悪質な訪問販売に引っかかっています。くれぐれも、オートロックの過信は禁物です。

19.駐輪場・駐車場

 「駐輪場」は、ほとんどの物件にあり、駐輪費用は無料であることがほとんどですが、一部に有料という場合もあります。

 「駐車場」がある場合、通常、部屋の契約とは別です。

 いくつかの確認すべき点があります。

 それは、駐車場の位置(玄関からの距離はどうか)、駐車場が空いているかどうか、契約期間はどうなっているのか、駐車場契約は不動産業者などを通じるのかどうか、不動産業者を通じる場合は不動産業者に支払う手数料がいくらか、駐車場の地面はアスファルト敷、コンクリート敷、砂利敷、土のままのいずれか、個別の名前が入った専用スペースが確保されているのか、それとも単なる駐車許可なのか、駐車場に屋根があるかどうか、そして、駐車料金はいくらかなどです。

 バイクなどについては、いわゆるミニバイクは駐輪可能でも、中型や大型バイクについては、駐輪できない場合があります。特に、住宅地内では、近隣との関係で、中型以上のバイクは駐輪できないことが多くなっています。また、ミニバイクまでは無料でも、中型以上になると駐輪料金を徴収されることが多いようです。

20.管理体制

 管理の仕組み・体制としては、物件資料の上では、「オートロックシステム」、「24時間管理」、「管理人勤務」程度に区分されているようですが、実際には、さらに細かく区別することができます。

 「オートロックシステム」は、別項で述べたシステムですので、ここでは詳しく触れません。

 「24時間管理」は、カギの紛失やさまざまなトラブルなど、管理上の問題が発生したときなどに、管理会社が24時間いつでも対応してくれるシステムです。

 通常は、ビルメンテナンス会社が電話を取り次いで、必要なところに連絡を入れてくれるようになっていることが多いようです。24時間対応してくれるからといっても、すべてを無料で対応してくれるわけではありません。深夜や日祝日などについては、数千円程度の作業手数料を取られる場合があります。

 「管理人勤務」については、さらに、「管理人住込み」、「管理人常駐」、「管理人定期的勤務」、「管理人巡回管理」、「家主管理」などに細分することができます。

 「管理人住込み」というのは、管理人が部屋の1室に住み込みながら、日中は管理人室で勤務するものです。大規模な物件でないと、学生の住まいではまずお目にかかりません。夜中にトラブルが発生したときなどには非常に心強い管理システムです。

 「管理人常駐」では、日中の時間帯(9時頃〜17時頃)のみ、勤務しています。

 「管理人定期的勤務」は、毎日というわけではないのですが、定期的に(週に2〜4回程度が多い)勤務しているものです。

 「管理人巡回管理」は、いくつかの物件を巡回しながら、主に清掃業務を中心に管理を行うもので、現実的には、「管理人不在」と表現されているはずです。

 「家主管理」というのは、管理会社の社員や委託管理人が管理を行うのではなく、家主が直接的に管理を行っているものです。

 管理会社の管理と異なる点は、管理のレベル・内容が千差万別であり、きめ細かな管理を行って入居者に非常に喜ばれているところから、頼まれもしないのに入居者の素行調査を行い、実家に連絡を行うようなことまでを管理だと考えている人もいます。いずれにしても、家主管理は当たりはずれが大きいものです。

 管理人がいなくでも、家主が物件の近くに住んでおり、緊急事態の際にはきちんと対応してくれる場合は、それほど大きな問題はないかも知れません。しかし、家主が近くに住んでいるからといっても、「管理はすべて管理会社に任せている」というような場合には、結局、管理会社に連絡せざるを得ないということもあります。

 管理人が不在で、家主が近くに住んでいるという物件を契約しようとしたときには、「緊急事態が発生したときに家主がきちんと対応してくれるかどうか」を確認しておいたほうがよいでしょう。

 意外に知られていないことですが、「管理人室がある」ことと、「管理人がいる」ことはまったく別の事柄です。

 というのは、地域によれば、一定数以上の部屋数のある物件には、「必ず管理人室を設置すること」というような行政指導が行われていることがあり、管理人室は設置されていますが、実際には管理人がいないこともあるのです。

21.預かりロッカー

 一人暮らしをする人にとって、宅配便を受領するのはけっこう面倒なことです。

 そこで、一部の物件では、預かりロッカーを設置しています。これは、外出しているときでも、宅配便の荷物を自動的に預かっておいてくれるロッカーです。荷物が入っていれば、部屋番号が表示され、オートロックキーで荷物を取り出すことができます。自室でも点灯ランプなどで荷物が入っていることを知らせてくれます。

22.エレベーターの有無

 建築基準法では、エレベーターの設置義務があるのは6階以上の建物だけです。学生マンションの場合、設置・維持コストを考えて、5階建てまでなら普通はエレベーターを設置しませんが、家主などが上部階に住んでいる場合には、「家主の都合で」エレベーターを設置している場合もあります。

 エレベーターの台数は、入居者50人に1基が標準です。部屋数の多い物件では、入居者数とエレベーターの台数の比率を確認しておきましょう。

 また、最近では、ストーカー対策などの一環として、エレベーター内にテレビカメラが設置されているケースもあります。テレビカメラはあるほうがよく、しかも、そのモニターテレビがエレベーター近くにあるものは、被害の「抑止力」として威力を発揮するでしょう。チェックしておきたいポイントです。

 エレベーターが設置されている場合、設置されていない場合よりも、共益費が高額になる傾向がありますので、共益費等も必ず確認した方がよいでしょう。

 なお、エレベーターが設置されていない物件の場合には、引越しの際に、「立て持ち料」などというような追加料金がかかる場合があります。

23.取引態様

 不動産の広告には、不動産業者がどういう立場で契約に関わっているのかを明記する義務があります。 

 まず、もっとも一般的なのが、「仲介」です。

 これは、貸主と借主の間に立って斡旋する場合で、仲介手数料が必要となります。

 第二は、「貸主」です。物件を直接貸す場合ですので仲介手数料はかかりません。

 第三は、「代理」です。これは、貸主から代理権を得て家主に代わって契約を交わします。仲介ではありませんので仲介手数料はかかりません。
 
24.所有者と貸主

 通常、物件の所有者と貸主は同じです。

 しかし、管理会社が所有者から物件を丸ごと借り切り、それを転貸して、自ら貸主となって入居者を探すような場合(一棟借上げ契約とかサブリース契約などと言います)や、所有者が高齢のため、その息子さんなどが貸主となっているようなこともあります。このような場合には、所有者と貸主が異なる場合があります。